DSC0781520170816112949.gif
オールソールに関してよくお問い合わせ頂く事がございます。

それは、オプションに関してです。『ヒドゥンチャネルにした場合は?』・『飾り釘は?』・『コルクを詰めて直して欲しいけど?』....等です。

基本的にこの辺りは全てオールソールの費用に含まれます。実際にオールソール交換をご依頼頂いたこの靴を参考に、オールソール交換の内容をご覧下さい。
DSC0781920170816113308.gif
当たり前ですが、靴をばらします。
DSC0782320170816113252.gif
DSC0782520170816113244.gif
靴をばらしたままでは、出し縫いの糸は残ったままですので、一目一目糸を抜きます。
お店によってはこのまま抜かずに仕上げるところもあります。靴として履くには問題ありませんが、ウェルト上面の仕上がりが汚くなってしまうので、抜ける糸は必ず抜く様にしております。
DSC0782020170816113259.gif
そして、コルクが砕け落ちていたので充填し直します。
コルクを詰め直して、ソールの仕上がり形状を意識して、詰め込んだコルクを削ります。接地面以外、シャンクの上などはコルクの詰め方で履き心地に影響が出る場所では無いので、靴によってはコルクが入っていない場合もありますが、先ほどの出し糸の話同様、最終的なソールの仕上がり意識して、コルクを詰め、削り奇麗な底面形状を作っています。
DSC0782620170816113236.gif
DSC0782720170816113229.gif
そして、ソールを貼ります。このソールも貼る前に仕上がりをイメージして、フラットな革を曲げて、ある程度ソールの底面形状のクセ付け後貼ります。フラットなソールが接地部分だけが地面についており、爪先やフマズ部分が浮いている事からおわかり頂けるかと思います。
DSC0782820170816114320.gif
DSC0782920170816114351.gif
そして、ウェルトの出幅に合わせてソールを切り回し後、ヒドゥンチャネルの加工をして、出し縫いです。
加工で掘った溝に出し縫いが納まります。
DSC0784320170816114305.gif
DSC0783020170816114335.gif
そして、出し縫いが終わったら革を伏せ戻します。出し縫いは、先程のミシンの写真を見て頂いたらわかるかと思いますが、靴底側を見ながら縫う事になります。ですので、一目ずつウェルト上面から穴を見て縫う事は不可能で、100%同じ穴を拾う事は難しいのです。しかし、極力同じ穴を拾う様にミシンを調整をすれば100%に近い確率で穴を拾う事が可能な場合もあります。

この靴に関しては100%に近い確率で元穴を拾えています。
DSC0784620170816114228.gif
DSC0784720170816114221.gif
ヒールを積み上げて、化粧釘を打ちます。化粧釘は真鍮釘で、柔らかく、歩いているうちにヒールと共に削れてくれるので、鉄くぎより滑り難いです。
DSC0785220170816114245.gif
DSC0785320170816114236.gif
後は、ソール、ヒールを削り、形を整えて、ソールを磨き上げればソールは完成。
DSC0785620170816114134.gif
最後は作業中にホコリにまみれたアッパーを磨けばオールソール交換の作業終了です。
DSC0786120170816114012.gif
DSC0785920170816114043.gif
ヒールやコバもしっかり磨き上げて、要所にコテ掛けをして引き締まった見た目に仕上がっております。

以上がオールソール交換の作業です。当店でオールソールと言えば最後の磨きまでの全ての工程が含まれます。費用は¥10800

価格の変動はあくまで素材の違いです。例え¥10800のレザーソールを選択されても、¥17000のソールを選択されても作業内容は全く同じです。あくまで素材の違いです。

勿論、素材が変われば履き心地や耐久性に違いは出て来ます。しかし、同じ作業工程ですので、仕上がりの見た目の違いと言う点ではソールの色や若干の厚みの違いです。

どうぞ、オールソールをお考え中の方は参考になさって下さい。


スポンサーサイト
DSC0771320170605060857.gif
コチラのローファーはサドルのテンションがかかる部分の破れで修理に御持ち込み頂きました。
DSC0771520170605060849.gif
問題の箇所はテンションがかかり徐々に破れがひろがりつつあります。この状態でうら側に補強を入れる事も可能ですが、破れた部分はそのままの見た目で残る為、サドルを新しい物にする事になりました。

同じ交換するなら、イメージチェンジと言う事で異なる色でサドルを製作する事になりました。
DSC0771620170605060841.gif
先ずはサドルを取り外しました。
DSC0771720170605060833.gif
DSC0771920170605060816.gif
取り外したサドルから型紙を作り、新しい革でサドルを製作しました。
真ん中の窓から内側のベロの継ぎ目の白いステッチが見えてしまうので、穴隠しを古いサドルから移植して、テンションがかかる部分は補強テープを入れています。
DSC0772620170605060807.gif
後は、元の位置に貼り、縫い合わせれば完成です。バイカラーでイメチェンが図れました。

以上、今回の修理は¥4000也。

履き込んで少し飽きて来た靴の修理で、交換ついでに全く異なる色素材を用いてのイメージチェンジ御手伝い致します。




DSC0769020170528063115.gif
コチラはJMウエストンのハントダービーです。元々ブーツだった物を足首周りでカットして短靴にした独特のデザインとボリュームのある靴底が特徴ですね。今回は、コチラのヒール交換をご依頼頂きました。
DSC0769120170528063125.gif
そのヒールはコチラです。このデザインの靴に合ったスチールが取り付けられております。強度は良いけど、実用面を考えると滑る、音が鳴る、足への負担が気になるところです。
DSC0769220170528063135.gif
そこで、今回はコチラのjrレンデンバッハの革×ゴムのヒールに交換です。
DSC0769420170528063219.gif
スチールとその上の革の層とで調度新しいヒールと同じ厚みなので、スチールと革を剥がして、新しいヒールを取り付ければおしまいとはいきません。
DSC0769520170528063147.gif
何故なら、この革良く見るとカカト側から爪先に向けて厚みがだんだん薄くなっているのです。
DSC0769620170528063243.gif
剥がした革がコチラです。左から右にだんだん薄くなっているのがお分かりかと思います。
この傾斜が非常に大切で、この傾斜がある事でヒールがしっかりと接地していたのです。
DSC0769920170528063253.gif
DSC0770220170528071239.gif
DSC0770020170528063305.gif
ですので今の状態では靴には傾斜が無く、当厚の革が積み上がった状態で、ヒールとソールがしっかりと接地しません。
DSC0770420170528071224.gif
そこで、靴側に傾斜を作り、靴側だけでは充分な傾斜を作るには極端に削る必要があると判断したため、ヒール側にも少し傾斜をつけて、ヒールもソールもしっかりと接地する様になりました。
DSC0770720170528063349.gif
ヒールを貼り合わせて、削って形を出すとこの様になりました。ヒールの高さは変わりません。しかし、爪先に向けて傾斜がついている事が確認頂けるかと思います。

単純にヒールの厚みだけで判断して、傾斜の存在を見落としてしまうと、ヒールがしっかりと接地しなくなり、カックン、カックンして非常に履き心地の悪い靴になってしまいます。
DSC0770920170528063402.gif
DSC0771220170528063437.gif
DSC0771020170528063422.gif
最後、色を入れて仕上げをするとこの仕上がりです。靴底にはオリジナルと同パターンで飾り釘を施しております。
見た目も、履き心地も問題ない仕上がりとなりました。

以上、今回の修理は¥3800也。

実はヒール交換は単純な交換作業では無い場合もあり、ヒールを積み上げる知識が必要となります。今回の様な特殊な仕様変更等は特に専門的な知識がある修理店での交換をお勧め致します。
DSC0763620170421093353.gif
コチラの靴は口が開いたと言う事で修理に御持ち込み頂きました。
事前に爪先補強の為にスチールを取り付けた事で爪先は防げたが、その後方の出し縫いの糸が擦り切れて口が開き出していました。
DSC0763720170421093344.gif
DSC0764420170421093249.gif
しかし、靴底の厚みは十分に残っており、ヒールも半分以上の残っている状態で交換時期でもありません。

勿論オールソール交換すれば新品の様な状態になり、何の問題も無く履ける状態になるので間違いではありません。
しかし、その紋切り型の判断に疑問を感じます。

近年のコンピューターてんこ盛りの自動車は、コンピューターで故障診断して、コンピューターがだした結果を見て部品の総取っ替えが普通になって、車屋ではなく交換屋になっていると旧車好きからは言われていますが、この靴を見て『オールソール交換ですね。』と言うのは正に交換屋。

コンピューターてんこ盛りの自動車ならコンピューターが判断した結果を信用して交換する事を否定するつもりはありませんが、コンピューター0の靴の事は状態から判断して、オールソール以外の部分修理で対応も可能な場合は、オールソール、部分修理それぞれの御見積もり、それぞれのメリット、デメリットを説明した上で、修理方法を選択頂いております。
DSC0763920170421093335.gif
と言う事で、今回は部分修理で御願いしますと言う事になりました。

修理方法は、スチールを取り除き、スチールの溝を新たに革で埋めて、出し縫いの糸を抜き取り、新たに出し縫いをかけ直します。これで、口は閉じます。しかし、履いて暫くすればまた出し縫いが擦り切れて口が開いてしまうので、その上にハーフラバーソールを貼って出し縫いをカバーすると言う修理です。

コチラの写真は爪先のスチールの溝を埋めて、出し縫いを抜いて、ハーフソールを貼る下処理をした上で、出し縫いがかかる溝を掘り直した所です。
DSC0764120170421093410.gif
先ほどの溝に出し縫いをかけ直します。
DSC0764220170421093326.gif
新たに出し縫いがかかった状態です。これで口は閉じて暫くは履ける状態にまで来ました。この後、ハーフラバーソールを貼って、永らく履ける状態にします。
DSC0764320170421093257.gif
そして、ハーフラバーソールを貼りました。この後、余分な所をカットして、削って仕上げれば完成です。
DSC0764820170421093232.gif
DSC0765120170421093151.gif
そして、問題だったソールはしっかりと閉じ、コバも、出し縫いも奇麗になって修理痕は皆無です。
DSC0764520170421093241.gif
また、ソールの口の開きとは別で、爪先の擦り傷も気にされていました。すり傷ですが、傷は浅く、傷補修をするまでもないと言う判断で、靴磨きで対応させて頂きます。
DSC0764920170421093224.gif
仕上がりはコチラです。靴磨きで全く問題ありませんね。

以上、今回の修理は爪先レザー補修¥700、出し縫い¥1800、ハーフソール¥2000、靴磨き¥500トータル¥5000也

オールソールの場合は¥10800〜と考えると半額以下に納まりました。個人店ならではの柔軟な対応で、交換屋ではなく修理屋をやってます。

修理の相談御待ちしております。







DSC0757420170318171557.gif
コチラは、ジャランスリワヤの靴です。インドネシアで作られる本格靴です。

素材は欧州の高級靴店でも用いられるカーフが用いられており、製法はビスポークシューズも顔負けのハンドソーンウェルテッド製法です。しかし、価格は手頃で非常にコストパフォーマンスの高い靴です。
DSC0757520170318171758.gif
しかし、この靴にも弱点はあります。

先ず、出し縫いの弱さです。出し糸が擦り切れると必ずと言っていい程、糸がほどけてきます。
DSC0758620170319000914.gif
原因は出し糸にあります。写真左が元の糸。右が修理で使っている糸です。
素材も太さも異なります。オリジナルは細いナイロンの糸です。そして、修理に用いている糸は太い麻糸にチャン(松脂)を浸透させた糸です。ナイロンの糸自体は引っぱりには強いのですが、擦り切れやすく、チャンが入っていないため擦り切れてしまうと、滑って簡単に解けてしまいます。
DSC0757820170318171733.gif
そして、ソールの耐久性はイマイチで、すり減りが早いです。雨の日に履くとあっという間に穴が開きます。
DSC0758320170318171928.gif
DSC0758420170319000843.gif
そして中に詰めてあるコルクが必ずと言っていい程砕けてぼろぼろになっています。靴底に穴が開いている靴の場合は、砕け落ちて靴の中が空っぽになって、中底が完全に沈み込んで、サイズが緩くなる原因になっている場合もあります。
DSC0758220170318172449.gif
DSC0758120170318172501.gif
DSC0758020170318171724.gif
そして、底付けのバランスの悪さです。

ヒールのサイズやコバの出幅やフマズのエグリ等、もう少し意識を持って形作ればより良い靴になります。

以上、弱点の全てはオールソール時に素材やバランスを意識をしながら作業すれば改善できて、仕上がりは欧州の中堅ブランド靴かそれ以上の仕上がりを見込めます。

アンティークシューズにはこの逆で、底付けのバランスやソールの質等は秀逸な物を目にする事がありますが、アッパーの素材が顔料厚塗りで、交換のしようが無い部分が残念と言うパターンもあります。

この事から、価格含めカスタムベースとしては最高の靴と言えるのではないでしょうか?
DSC0758920170319000947.gif
と、言う事で先ずは砕け落ち難い板コルクで中物の詰め替えです
DSC0759120170319001213.gif
そして、ソールを貼って縫いをかけました。元はフマズより前はオープンチャネルでしたが、ちゃんと1周ヒドゥンチャネルで仕上げます。

そして、この靴の特徴の1つですがフマズ部分のみマッケ縫いになっております。こうする事でフマズをえぐる事ができます。

しかし、元の状態では折角のフマズマッケ縫いですが、フマズのえぐりはイマイチでした。
DSC0759720170319001516.gif
その残念なえぐりに修正を加えました。写真左は修正済み。右が修正前です。フマズのえぐりに変化が出たのが御解り頂けますでしょうか?

更に、一番幅の広い部分の見直しをして接地部のコバの形状も修正しております。
DSC0760720170319012226.gif
DSC0760520170319012235.gif
更にコバの出幅もバランス良く整えました。

写真上は修正前。下は修正後。不均一な出幅のコバが、ある程度均一に控え目な出幅のコバになりました。
DSC0760820170319002441.gif
そしてこんな感じで仕上がりました。フマズの感じやヒールのサイズの変化で雰囲気も変わったのがお分かりいただけますでしょうか?
DSC0757720170318171749.gif
DSC0760920170319002429.gif
写真上はフマズ部分の修正前。下は修正後です
形状、厚みの変化で側面からの見た目の印象も大きく変わりました。
DSC0761220170319002328.gif
DSC0761420170319002344.gif
横顔の変化ご覧下さい。前出の横顔写真と比較頂くとかなりの変化を感じて頂けるかと思います。
DSC0761020170319002357.gif
更にコバ上面にウィールをかけ直して、見た目が引き締まりました。

恐らくこの靴の定価の倍程する靴に引けをとらないワンランクアップの仕上がりになったかと思います。
オールソール価格+¥2000で底付けバランスの再考させて頂きます。

どこか見た目のバランスが悪いなと感じる靴をお持ちの方、オールソールのタイミングで一度ご相談下さい。