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ご注文頂いていた靴が完成なので御紹介です。

仕上げで靴に魂を宿らせます。

先ずは、靴底からです。革のツルツルの銀面と言われる表面に着いた汚れ等を削りおとし、銀面以上にツルツルな靴底に仕上げます。
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ツルツルな靴底となりました。これは、ふのりと言う海藻の一種を煮詰めて作った物を塗り、毛羽立った革の表面の繊維を寝かせる事でこの透明感のある自然な艶が出ます。

既製靴の中にも一見奇麗に見える靴底が御座いますが、それは顔料です。革の粗を顔料で覆い隠しているのです。その為、見た目で革の質感を全く感じる事ができず、ゴム底の様な印象を受けます。

女性からのお叱りを覚悟して例えるなら、中年女性が顔の粗を隠す為に化粧を塗りたくり、結果粗は隠せても、能面でもつけているかの様な印象を受けるのと同じですね。

まっ、靴底ですので自己満足の世界かもしれませんが、然れど靴底。やはり美しいに超した事は御座いません。
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そして、アッパーの仕上げです。

先ほど少し顔料の話を出しましたので、ここでもう一つ御説明致します。

アッパーの革にも、顔料の話が良く出てきます。

顔料が乗った革は一見奇麗です。何故なら、革の粗を隠すからです。

革は牛です。牛は怪我もしますし、虫にも刺されます。それらの痕を顔料は覆い隠すことができるのです。ですので革のなる前の原皮の状態で多少傷が有っても革にしてしまいます。

また、革の表面を顔料で覆う事で革本来の風合いを殺してしまいます。

それ故我々は、極力顔料に頼らず、透明感のある染料によって染色された革を使います。透明感が有ると言う事は革本来の風合いが生きてくる反面、原皮は状態がいい物でないといけないので価格が高くなります。

この革は、染料によって染色された革です。

仕上げでどれ程にまで美しくなるかご覧下さい。
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先ずは、乳化性のクリームを入念塗り込んで行きます。
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そして、鋭い艶が欲しい爪先やカカト周りにはワックスを使います。
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そして、仕上がったのがコチラ。顔料が乗った革には出ない上品な艶です。魂が宿った感じがしませんか?
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今回は、ブラインドブローグと言うデザインで、セミブローグの穴飾りやピンキングを省き、各パーツを間隔の狭いダブルステッチで縫い合わせております。

ゴテゴテし過ぎず、シンプル過ぎず、少し小粋なデザインをとのご注文でした。

詳細、後日木型を抜いてご紹介致します。



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