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ずらりと並んだコチラの靴は世界最高峰の靴と言われるジョンロブロンドンの注文靴です。ヒールの交換に御持ち込み頂きました。

簡単にヒール交換とは言え、世界最高峰。クルマに例えると、世界最高峰ブガッティを正規ディーラーではなく民間整備工場にタイヤ交換を御願いする様な事です。因に、ブガッティはタイヤ交換に300万円程かかるそうです。

私共が自動車の整備士なら300万円のタイヤ交換に相当する仕事を要求されているのだと言う事で、気が引き締まる思いです。
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3つのロイヤルワラントがついております。3つ並ぶと圧巻ですね。
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と言う事で、古いヒールを剥がし、新しいヒールを貼って、包丁で元の積み革に合わせて正確に切り回しました。
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このまま、機械で削って仕上げるのも一つですが、手製の靴ならではのラインが崩れてしまいます。とは言えクイックリペアの様に、貼り合わせた新しいヒール部のみを削り仕上げると履けなくは無いが、相応しい見た目とは言えません。

ですので今回は、機械は撫でる程度で、残りは手仕事で仕上げる事になりました。
新しいヒールと元々の積革の境界をぼかす感じでヤスリ掛けをしております。
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そして靴底はヒールのエッジから程ない所にずらりと化粧釘を打ちました。
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そして、この靴はソールが黒塗りされたカラス仕上げですので、ヒールにも同様にインクをいれました。
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そして、蝋を塗り込みました。
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蝋を塗り込むと、折角の化粧釘が隠れてしまうので、プラモデル等で使う2000番手の細かい紙ヤスリで磨いて化粧釘を露出させます。
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化粧釘が出たら更に磨き上げて、淵にコテ掛けをして完成です。この靴に相応しい仕上がりかと思います。
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以上、今回の修理は¥2500也。
ロイヤルワラント付、宮内庁御用達ではございませんが、同等、若しくはそれ以上の仕事はできると自負しております。大切な靴のメンテナンス何なりとお気軽にご相談下さい。
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