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コチラは1910年代の靴と言う事で御送り下さった靴です。履ける様に修理して下さいとの事ですが、かなりのやれ具合です。しかし、独特の雰囲気のある靴、可能な限り復活させます。
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茶色いブーツは靴底は接地部がダブルソールになっており、更にイボイボのペブルソール。素材はゴムではなくスチールと言うハードな仕様です。ヒールも同じく大きなスチールが入っております。片足は既にヒールは剝がれ落ちております。
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そして、黒いブーツは過去にハーフレザーソールで補修された後が有りますが、そこを境界線にして中底まで割れてしまっております。
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アッパーもご覧の様に昔年の塵が積もっております。乾燥して革もガサガサです。
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しかし、やればできるもんです。ここまで復活です。茶色いブーツ、実はスウェードだったんです。
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そして、靴底に関してはオリジナルの雰囲気と実用面を意識した作りにしております。

茶色いブーツの本底は柔らかいマッケイ等に使われるソールを使用し、接地面のダブルソール部にはオークバークの丈夫な素材を使用しております。形状はオリジナル同様にして、縫いをかけた後に、境界部を木釘で打ち留めております。そして、踏まず部分に少し色気をプラス。半カラス仕上げにしております。

黒いブーツはクラシックな印象が出る全カラス。非常に引きしまった印象に仕上がりましたね。

オリジナルは共に古い靴によく見られる革に釘やスチールを打ち付けまくった物でしたが、実用面を考えて革×ゴムで仕上げております。
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今回の御依頼は100年程前の靴で特殊なケースですが、古い靴だから修理できないかもと決めつけるのは間違いかも知れませんね。しっかりとした作りの靴であれば、古い、新しいに関係無しに修理のやりようは有るかも知れません。今回の修理はその良い例です。古い靴の修理のご相談もお気軽にどうぞ。


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