2016.10.20
オールデン タンカーブーツのグラグラのフック交換。

コチラはオールデンの人気モデルのタンカーブーツです。買って間もないとの事ですが、残念な事にフックがぐらぐらで心配とご相談頂きました。


問題のフックはこのような状態です。緩く打ち込まれて浮いており、くるくる回ってしまいます。


裏はこの状態です。開いて中を見てみるとフックはアッパーのみに固定されている状態です。しかも、菊割りと言う止め方ですが、肝心の菊割りが割り切れていないのです。
写真で見て取れる様にアッパーの裏には補強のガラス繊維のテープが入っておりますが、紐を締め付ける度にアッパーにテンションがかかり続ける訳ですから、いつかはフックが抜けるか、最悪のケースではフックが抜ける事でアッパの内側から革を裂いてしまうかも知れません。
では、何故このつくりにしたのか?
足当りの問題?タンがあるからフックの裏が足に足あたる事は無い。
菊割りを見せたく無かった?下の鳩目の菊割りは丸見え
ミシンで縫いやすい様に?逆に縫い難くなっている。
等々.......。
色々考えましたが、納得のいく理由が見つかりません。
取り敢えず、現状のままでは良く無いと言うのは確かですので、最も理にかなった形で修理しようと思います。

一先ず全てのフックを外しました。

そして、新しいフックをライニングまで貫通させて座金で固定しました。
これで、テンションはアッパーだけでなく、ライニングにも逃げてくれる上、菊割りよりも外れにくく、安心して履いて頂けるかと思います。

以上、今回の修理はフック交換1コ¥300也。
今回はフックをフックに交換しましたが、靴によっては鳩目をフックにする事も可能です。脱ぎ履きが面倒な丈の長いブーツの上の鳩目をフックに変えると脱ぎ履きもしやすくなりますよ。