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2019.02.28
オールソール交換の必要がないオールデンの靴。

こちらの靴はオールソール交換の為にお持ち込み頂きました。




スチールは外れて口が開き、ソールの所々に隙間ができて、ヒールもすり減ってるからオールソールだろうとお客様ご自身で判断での来店でした。
確かに、上記の様な不具合は有りますが肝心のソールはまだまだしっかりしておりました。
勿論、オールソール交換すれば元どおりです。しかし、ソールがしっかりしてるのに交換の必要ある?と考えました。
そこで、開いた口をこじ開けて中を覗くとコルクもしっかりしてます。
ですので、部分補修でも不安なく履ける様になる。
そのメリットに修理費用を抑える事ができ、耐久性が増します。
デメリットとして元の履き心地と見た目は若干ながら変化は出ますとお伝えし、今回は部分補修となりました。

それをほぐし出します。

要らない古いトップリフト、スチールを取り外し、開いた口にノリを入れて圧着。
その後、出し縫いを縫い直し。
ここで、問題になるのがスチールが収まっていた段差。
通常スチールが付いていたソールにハーフソールを貼る場合、スチールが収まっていた部分を埋めて、ハーフソールを貼ります。
しかし、今回は出し縫いを縫い直す前提での修理。
ですので、スチールが収まっていた部分からなだらかに繋がる様に削り、全体的に少し薄くしてます。

出し縫いはこんな感じ。同じ穴に収まり違和感無しです。

あとは新しい素材を貼って、削って。

トップリフトはオールデンのオリジナル同様に化粧釘を打ちます。





最後に色を入れて、磨き上げれば完成です。
上記の様にデメリットとして、底は見た目が元と異なり、ハーフソールが目に入ります。
また、履き込んだしなやかなレザーソール特有の履き心地から、カチッと固い履きごちに変化しております。
しかし、スチールの段差の処理が効いてきて、2ミリある丈夫なハーフソールを貼っても横からの見た目の変化はほぼ感じられ無いと思います。
また、ハーフソールの下に無傷の出し縫いがある為、地面と出し縫いが擦れて、切れて、持ち込まれた時の様に口が開いたり、隙間ができたりする事はありません。
また、レザーソールと比べて耐久性のあるハーフソールですのでソールの減りはこの先暫くは気にする必要はありません。
以上、今回の修理はハーフソール&出し縫い¥4500、ヒール交換¥2800
合計¥7300也。
因みに、オリジナル同素材、同仕様でオールソール交換した場合は¥14900です。
修理方法が複数ある場合は、それぞれのメリット、デメリットをお伝えしております。
皆様それぞれの天秤にかけて判断ください。
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