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2017.09.22
爪先に穴が開いたレペットの靴を元通りにする。

コチラ人気のレペットの靴です。爪先に穴が開いたと言う事で修理に御持ち込み頂きました。
穴と言っても、靴底の爪先ではなく、甲革の爪先の穴です。

問題の穴はこんな感じです。靴底の薄いレペットは履き込むとどうしても爪先が地面に擦れて気がついたら穴が開いてしまいますね。
一般的なフラットシューズの場合この状態になったら、修理不可。できてもデザイン変更が前提での修理となりますが、バレーシューズの特殊な製法で作られるレペットの靴の場合は元通りに修理する事が可能です。

修理は先ず、靴を裏返す事からです。靴を裏返すって事はどう言う事かと思われますが、画像の様に完全裏表が逆転の状態にします。これも柔らかい作りのレペットだから出来る事です。

裏返ったら、次は穴周辺の底縫いの糸をほどきます。そして、少し見え難いかも知れませんが、今度は赤い点の部分を底と縫って行きます。


こんな感じで、靴底側同じ穴を、甲革は先ほどの赤い点を穴開けて縫って行きます。

縫い上がりはこんな感じです。穴が開いていた部分が外に出てきました。

外に出てきた穴が開いていた部分は不要なのでカットして靴を表に返します。これが靴を表に返している途中です。

表に返すとご覧の様に復活です。実際は僅かながら縫い縮めているので形が変わり、サイズ感も変わりますが、これもまたレペットのソフトな革に助けられます。革用の柔軟剤を用いて革を少し伸ばし、形を整えれば問題無しです。

甲革は復活しましたが、このまま履けば又地面と爪先はすれて時間の問題で穴が開きます。ですので薄くなった底をハーフラバーソールで補強すれば、もう姑く問題なく履いて頂けます。

以上で完全復活です。
今回の修理はハーフソール¥1800+爪先穴補修¥3000=¥4800也。
この靴の様に、製法や素材を見極めれば無理そうに見える靴でも元通りにする事が出来る場合がございます。お気軽にご相談下さい。
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