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こちらは2012年に私共で製作させて頂いた靴です。
この様な状態で修理戻ってくると言う事は、お気に入りの道具としてガンガン履いて頂けている証拠で非常に嬉しく思います。

あまり靴に興味の無い人からすれば、一見もう処分しなくてはと思わせる様な状態かも知れませんが、全く問題御座いません。
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私共で製作している靴は、修理を前提とした製法で、この様にメンテナンスを繰り返しながら永年履ける様に作られております。

画像の様にヒールも木釘で打ち留めており、履いている時は木釘が湿気を含んで膨らみヒールが剝がれる事を防ぎ、剥がそうと思うと、靴に負担をかける事無く剝がれる様になっております。
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靴の中はこんな感じ。中底の裏が地面と擦れていた為少しすり減ってはいますが、元の厚みが6ミリ程ある中底ですので、十分に厚みが残っており、問題はありません。
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そして、ここでインソールに少し水分を含ませて、この靴を作った時に使用した木型を入れて、沈み込んだインソールをもとの状態に戻す様にハンマーで叩いて癖付け直し。

最後はコルクを盛って靴の中身は復活です。この時点で古い出し糸は全て抜いて、スクイ縫いが痛んだいれば縫い直しますが、この靴に関しては全く問題無しでした。
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新しいソールを貼って、出し縫いをかけ直せる様に加工。
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そして、同じ穴を拾う様に出し縫いを縫い直しました。
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最後はヒールを元と同じ様に木釘で打ち留めながら積み上げれば完全復活です。
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作った木型がある事は非常に強みで、永年履き込んだ履き皺を伸ばしながら、インソールの沈み込み、擦り減り等を補いつつ修理する事が可能で、驚く程元通りに復活します。

メーカーに修理依頼を出すと断られて、色々検索した結果、当店に持ち込まれるケースが多々あります。作った以上は修理は出来るはずなのに、対応しないのは如何な物かと思ってしまいます。

メーカー側にも大人の事情があるのでしょうが、作りっぱなしの売りっぱなしには疑問を感じます。

とはいえ、そう言ったメーカーがあるから当店を利用下さって、我々はご飯を食べる事ができている事も事実.....。

非常に悩ましい。


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