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クロケット&ジョーンズの靴で、手前の様にゴムが完全に減って革が削れ出したので修理に御持ち込み頂きました。元は、化粧釘と言って装飾的に釘が打たれているヒールでしたのでそれを目指して修理です。

奥がヒールを一枚剥がした状態です。ヒールの内側5ミリ程のところに規則正しく穴が並んでるのが見て取れるかと思いますが、これは化粧釘の打ってあった痕です。
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今回は、ダイナイトラスターを使って補修になりました。ダイナイトラスターは、ダイナイトのゴムと革のコンビのヒールです。ダイナイトのゴムですので、グラインダーで削った仕上がりが奇麗です。

そして、写真はそのダイナイトラスターを張り合わせ、右がある程度形を出すのに切り回した状態です。左が、切り回した後、銀面(革の表面の艶やかな面)を削り落とした状態です。つやに違いが出ましたね。
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銀面を落としたら、釘を打つ位置をマークします。
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そして、マークしたところに錐で先穴をあけ、そこへ釘を打ち込んで行きます。先端は固定する意味で打ち込み、他の釘は2枚目の革を捉える程度の深さ迄で止めます。
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そして、1ミリ程先端を残して釘の頭を切ります。
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釘を切って残していた部分をヤスリがけをして、フラットにします。真鍮製の釘を使っているので比較的容易に削れます。そして、歩行と同時に削れ易いので鉄製の釘に比べて遥かに滑りにくく、化粧釘の様に多数の釘を打つ際は真鍮釘に限ります。
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ヒールの輪郭にコテをかけて引き締めます。コテをかけると、かけないで表情に大きな変化が出るから不思議ですね。最初に考えてやり始めた人は素晴らしいとおもいます。
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最後は、底面を磨けば完成です。化粧釘は、釘を打ったと言うよりは、丸い金属が革のヒールに埋まっている様な独特の表情を見せます。まさに化粧です。

以上、今回のダイナイトラスターを用いてのヒール交換は¥1850也。

さすがに、スピード修理では化粧釘を打って迄の修理は出来ませんが、朝出してもらえば夕方には仕上げられます。少し、靴を御預け頂く余裕が有る様であれば一度御試しください。靴の裏の装飾ですので、自己満足に近い物が有りますが、大きな満足感が有りまよ。
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