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2010.11.29
ジョンロブのビスポーク・オールデン・ベルルッティの爪先補修
不思議な物で、同じ種類の修理が固まってやってくるもんですね。爪先の補修に追われていました。
先ずこちらは、ほとんど履いていないオールデンのチャッカブーツです。爪先の修理と言うよりは、爪先の減りの予防で、スチールを着けて下さいとわざわざ広島よりご郵送頂きました。 ありがとうございます。

明日、大阪に来た時にピックアップされる予定ですので早速作用致しました。写真は爪先のプレートが収まる溝を作った所です。

そして、作った溝にプレートを固定し、グラインダーで慎重に形を整えるとご覧の様に違和感無く収まります。これで、爪先の減りを気にする事無く文字通りガツガツ履いてもらえます。

そして、こちらはベルルッティです。こちらの靴は、爪先が減っているのでゴムで補修です。

スチール同様、ゴムの収まる溝を作ります。ゴムと言っても、硬質ウレタンとゴムの2層構造になっており非常に耐久性に富んだ素材となっております。接地面は、女性のピンヒールの素材に使われる硬質ウレタンです。

貼付けて、グラインダーで形を整えて、色を塗ればこの様に横からの見た目は補修した様に見えません。

そして、底面はこのような感じです。手軽さと、耐久性が特徴のゴムによる爪先補修です。

そしてこちらは、非常に貴重な昔のジョンロブのビスポークの靴です。こちらも爪先の補修ですが、手縫い靴ですので、機械は使わずに修理します。

爪先はこのような感じです。エレガントでドレッシーな仕様の底付けなので、底材が薄く加工されており、爪先が磨り減ってウェルトにかかりかけています。

爪先を程よく漉いて補修用に加工した革が収まる溝を作ります。
かなり、複雑な説明になりますがこの靴は、一言で言うと全周ベベルドの底付けとなっており、縫い目は一切表には出ておりません。それ故、底付けの縫い目はある程度粗くても靴をばらさない限りは見えないのに、奇麗に細かく縫われております。こういった心意気を、是非見習いたい物です。

ベベルドの説明で写真を撮りました。踏まず部分は、縫い目が見えていないベベルドウェスト。雑誌等で取り上げられご存知の方はいらっしゃるでしょう。そしてコバにギザギザの模様が入っていますが、本来はこのギザの谷を縫いますが、極端に細かいギザでこれは縫えません。ですので、踏まず部分同様にウェルトの奥の見えない所を縫っているのです。縫い目が奥に有ると言う事は、コバを切って内にせめても縫い糸を切る事が無いので、ここ迄控えめな表情のコバを表現する事が出来るのです。まるで見た目はマッケイの靴の様ですが、しっかり出し縫いがされています。しかも、普段通りの丁寧なピッチで。

話はそれましたが、こちら革を貼付けた所です。飛び出した部分を包丁で切り揃えます。

で、切り揃えた所です。

そしてヤスリをかけますが、ここ迄華奢なソールには、婦人靴用のヤスリを使います。このヤスリは、婦人の注文靴の職人をしていた昔の職人さんから頂いた物で、もう今は簡単には手に入りません。普段は使う事は有りませんが、こういう時に役に立ちます。

ヤスリがけをし、ガラスをカンナ代わりにかけて、紙ヤスリで仕上げた所です。

色を塗ってコテをかけます。このコテも、コバの幅によって使い分けていますが、ここまで薄いコバはなかなか無いので、滅多にこのコテを使いません。しかし、持っているといつかは日の目を見るんですね。長らく使っていなかったのでさびが出て来ていたので、奇麗に磨き直してコテをかけました。

もう修正した様に見えませんね。後は、熱コテでロウを入れて磨けば完成です。

熱コテで艶が出て更に一体感が増しました。

底はこんな感じで奇麗な爪先になってます。
日々お客様の靴を触らせてもらい、勉強になる事は多々有りますが、この靴には靴の作り方とは別で、精神的な部分で学ばされる所が多々有りました。今後の靴作りに生かせればと思います。
この靴の様に上手いに超した事は有りませんが、それ以上にこの靴から感じたパッションを自分の靴にもでればいいなと思いました。
以上、今回の爪先補修スチール¥1700・ゴム¥700・オールハンドのレザー¥2100也。

先ずこちらは、ほとんど履いていないオールデンのチャッカブーツです。爪先の修理と言うよりは、爪先の減りの予防で、スチールを着けて下さいとわざわざ広島よりご郵送頂きました。 ありがとうございます。

明日、大阪に来た時にピックアップされる予定ですので早速作用致しました。写真は爪先のプレートが収まる溝を作った所です。

そして、作った溝にプレートを固定し、グラインダーで慎重に形を整えるとご覧の様に違和感無く収まります。これで、爪先の減りを気にする事無く文字通りガツガツ履いてもらえます。

そして、こちらはベルルッティです。こちらの靴は、爪先が減っているのでゴムで補修です。

スチール同様、ゴムの収まる溝を作ります。ゴムと言っても、硬質ウレタンとゴムの2層構造になっており非常に耐久性に富んだ素材となっております。接地面は、女性のピンヒールの素材に使われる硬質ウレタンです。

貼付けて、グラインダーで形を整えて、色を塗ればこの様に横からの見た目は補修した様に見えません。

そして、底面はこのような感じです。手軽さと、耐久性が特徴のゴムによる爪先補修です。

そしてこちらは、非常に貴重な昔のジョンロブのビスポークの靴です。こちらも爪先の補修ですが、手縫い靴ですので、機械は使わずに修理します。

爪先はこのような感じです。エレガントでドレッシーな仕様の底付けなので、底材が薄く加工されており、爪先が磨り減ってウェルトにかかりかけています。

爪先を程よく漉いて補修用に加工した革が収まる溝を作ります。
かなり、複雑な説明になりますがこの靴は、一言で言うと全周ベベルドの底付けとなっており、縫い目は一切表には出ておりません。それ故、底付けの縫い目はある程度粗くても靴をばらさない限りは見えないのに、奇麗に細かく縫われております。こういった心意気を、是非見習いたい物です。

ベベルドの説明で写真を撮りました。踏まず部分は、縫い目が見えていないベベルドウェスト。雑誌等で取り上げられご存知の方はいらっしゃるでしょう。そしてコバにギザギザの模様が入っていますが、本来はこのギザの谷を縫いますが、極端に細かいギザでこれは縫えません。ですので、踏まず部分同様にウェルトの奥の見えない所を縫っているのです。縫い目が奥に有ると言う事は、コバを切って内にせめても縫い糸を切る事が無いので、ここ迄控えめな表情のコバを表現する事が出来るのです。まるで見た目はマッケイの靴の様ですが、しっかり出し縫いがされています。しかも、普段通りの丁寧なピッチで。

話はそれましたが、こちら革を貼付けた所です。飛び出した部分を包丁で切り揃えます。

で、切り揃えた所です。

そしてヤスリをかけますが、ここ迄華奢なソールには、婦人靴用のヤスリを使います。このヤスリは、婦人の注文靴の職人をしていた昔の職人さんから頂いた物で、もう今は簡単には手に入りません。普段は使う事は有りませんが、こういう時に役に立ちます。

ヤスリがけをし、ガラスをカンナ代わりにかけて、紙ヤスリで仕上げた所です。

色を塗ってコテをかけます。このコテも、コバの幅によって使い分けていますが、ここまで薄いコバはなかなか無いので、滅多にこのコテを使いません。しかし、持っているといつかは日の目を見るんですね。長らく使っていなかったのでさびが出て来ていたので、奇麗に磨き直してコテをかけました。

もう修正した様に見えませんね。後は、熱コテでロウを入れて磨けば完成です。

熱コテで艶が出て更に一体感が増しました。

底はこんな感じで奇麗な爪先になってます。
日々お客様の靴を触らせてもらい、勉強になる事は多々有りますが、この靴には靴の作り方とは別で、精神的な部分で学ばされる所が多々有りました。今後の靴作りに生かせればと思います。
この靴の様に上手いに超した事は有りませんが、それ以上にこの靴から感じたパッションを自分の靴にもでればいいなと思いました。
以上、今回の爪先補修スチール¥1700・ゴム¥700・オールハンドのレザー¥2100也。
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