| Home |
2011.04.23
ストックトン・トッズのドライビングシューズをオールソール

写真左がストックトン、右がトッズと共にイタリアの靴です。イアリアはこの手の靴を上手に作りますよね。

先ずストックトンですが履き込んでゴムのつぶつぶ(ぺブルソール)がすり減って革のダメージもひどいのでオールソールにお持ち込み頂きました。

爪先は革に穴があいてしまっております。ぺブルソールの靴はゴムがすり減ったら直ぐに革にダメージが入るのが弱点ですね。

穴が開いても、場所によっては違和感無く奇麗に修理は可能です。今回は穴の開いた爪先にこのパーツを奇麗に継ぎ接ぎします。
これは、爪先からパターンを取って、立体的に爪先を包み込む様に作っております。

そして貼付けました。ちゃんとパターンを取って、要所を漉いて前加工しているので奇麗に貼れます。

後は、オリジナルに忠実に縫ってやれば爪先は復活です。もちろん元の色はブルーで、修理は茶色ですが、革ひもと色も同系色ですので全く違和感を感じないかと思います。

そして、ヒールは剥がし、ぺブルソールは全て削り落として、新しい革底を貼って、縫いをかける準備をしました。
一先ず、この靴に関しては本日はここ迄。

そして、こちらはトッズです。新品でお持ち込み頂きました。履けばすぐペブルソールがすり減って、ストックトンの靴の様に穴が開くのが解っているので、転ばぬ先の杖で、ストックトン同様レザーソールのご依頼です。

極力オリジナルの雰囲気を崩さぬ様にとの事ですので、外枠のステッチ通りのレザーソールにする事にしました。
ペブルソールを削り、パターンを取って、レザーソールをパターン通りに切り出しました。
革をぺたっと貼って、靴の外郭に合わせて革を切り回す方が手っ取り早く済ませる事が出来ますが、オリジナルの雰囲気を崩さない為にはここでは手を抜けない所です。

そして、ストックトン同様ソールを貼付けて、縫いをかける準備をしました。
ヒドゥンチャネルと言われる縫い方をしますが、縫い糸を隠すために革の中に縫いをかけます。その為包丁を革の断面から入れて革を起こします。そして縫い終えたら、また革を伏せます。
このヒドゥンチャネル、説明するのは簡単ですが、今回の様な複雑な形のソールの革を起こすのは結構難しいんですよ。

わざわざ、オリジナルの雰囲気を崩さぬ為にと言うより、今回は作業が難しくなっても、このロゴを隠すべきではないだろうと思って作業しました。隠れた所で、別段靴としての機能に差は出ませんし、靴底の事ですので履いてしまえば目に見える所ではないのでそれまでなんですが、気持ちの問題ですよね。
これが、隠れているのと、出ているのでは気分的に大きな差は感じますよね。結果、こうする事でオリジナルの雰囲気を保ってる気もします。
出来る事は、とことんやります。修理の際、些細なこだわりでもお聞かせ下さい。些細な事でも出来る事は修理に組み込んで行きます。
そして、この靴も本日はここ迄です。続きはまた後日2足合わせてご紹介します。
スポンサーサイト
| Home |