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2011.06.07
ジョンロブダブルソールの爪先を手縫い補修+ビンテージスチール

こちらは、ジョンロブの代表作の一つダブルモンクシューズです。爪先の補修にお持ち込みただ来ました。
底付けは、ダブルソールにダブルウェウルと堅固な作りです。この作り故に爪先の減りが速く今回の修理となりました。

アウトソールの爪先は削れてほぼ無くなり、全体的に口が開き出しています。ダブルソールの靴で、このような状態を良く目にします。
原因は、靴の固さです。ダブルソールはシングルソールに比べ、厚い分靴は固く、本来なら前足部分全体で蹴り出す所を爪先だけで蹴り出してしまうので、直ぐに爪先が減ってしまいます。
体格がよく足のサイズが大きな欧米人は、ダブルソールでも曲がり易く、更に体重も有るので、馴染みも早いので、それほど爪先が早く減ると言う事も有りません。
しかし、小柄な日本人には馴染むまで時間がかかり、どうしても爪先で蹴り出す為減りが大変早くなります。爪先の減りの予防法としては、履き出す前に手で靴を何度も曲げ伸ばしして柔らかくしてやる事です。これだけの事ですが、結句効果あります。

擦り切れた縫い糸を全て抜きました。

口が開いていた所にノリを入れて、一先ず口を閉じました。

減ってなくなった爪先に新しい革を継いで元の厚みに戻しました。

そして、同じ穴を拾いながら手縫いで出し縫いをかけなおしました。

裏はこんな感じです。爪先にスチールを取り付けますが、その部分以外は革を起こし直して革の中を縫っています。

スチールを取り付けて、起こした革を伏せ直し、インクを入れればご覧の様に完成です。
爪先は元の厚みに戻り、スチールで爪先の保護がなされているので出し縫い糸は擦り切れる事はありません。今後口が開き出す事はないでしょう。
以上今回の爪先補修は¥4400也。
今回の修理は、元の状態に戻すだけでなく、再発予防も兼ねた修理でした。同じ修理するなら徹底的にと言う方にはお勧めの修理です。
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