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先日に引き続き、仕上げです。

写真は、必要箇所にコテを当て終えた状態です。靴の顔で有る甲革を今から仕上げます。今はまだ、革の断面が白で残っていますし、全体にマッドで未完成感が漂っていますが、仕上げで一気に雰囲気が変わって参ります。
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今回は、最近当店で取り扱いを始めました「タピール」で仕上げてみます。

先ずは、レダーオイルです。これは、汚れ落としと油分を補う目的で使用します。今回は、革を傷や熱から守る目的で、コバ周りにビニールテープを巻いておりましたので、テープを剥がしてもその粘着が靴に残っておりましたが、これで奇麗に落ちて、オイルの効果で更に全体にしっとり感が出ました。
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そして次はレダーフレーゲです。革へ栄養補給と艶だしの目的で使用です。全体に鈍い艶が出て参りました。普段のお手入れはこれ1本有ると大変便利ですね。天然素材が原料の為自然な艶が簡単に出せます。
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そして、レダーフレーゲクリーム。艶だし目的です。今での艶が黒光りに変わり重厚感が出ました。またこのクリームは日常防水効果もあります。
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最後はレダーバルサムです。ワックスです。爪先、カカト回りの鋭い艶を出す目的で使用しました。深みのある鏡面仕上げになりました。

この様に、仕上げで雰囲気ががらっと変わります。だから、古い靴でも久しぶりに磨くと大切に履いてやろうと言う気になります。週末関東から関西にかけては雨の様です。時間が有ったら靴を磨いてみてください。
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そして、今回の靴のディテールです。

特徴の一つにバンプラインと言われる羽のラインですが、今回の靴はヒールの付け根より後ろに伸ばしフォーマルさを強調しています。
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そして、お尻には接ぎの無いシームレスでつるっと丸い奇麗なお尻です。そして、昨日少し触れたお尻に食らいつく様なヒール。うまい表現が出来なくてもどかしいのですが、実物を見て頂くと食らいついてるなと言う表現をご理解頂けるかと思います。ヒールを見ると手製靴かが解ると言われますが、このヒールはまさに手仕事でしか出せない表現です。
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そして、コバもしっかりアイロンが当たってピカピカで、コバのエッジは一続きの歪みの無い奇麗なラインで出来ています。また、出し縫いの一目一目にの谷に至までアイロンが入っているのでウェルト上に均一な縫い目がしっかり出ています。
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ウェウスとはベベルドウェストで、セクシーなくびれです。先日ご紹介した化粧釘も仕上げで奇麗に浮かび上がりました。
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靴底全体の表情はこんな感じです。履けばそれまでですが、オークバーク特有の茶褐色の仕上がりが気持ちいいですね。
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最後に、木型を抜いて、紐を通して記念撮影です。紐は平紐を選択。靴の雰囲気に合っているかと思います。

しかし、写真の技術がない為靴の良さが伝えきれないのがもどかしいです。とは言え、靴は履いてなんぼの物です。見ていて美しくても履いてみないと良い靴かは判断できません。取り敢えず買ってみて、しばらく履いてみてください。その時の感想が、靴に対する本当の評価だと思います。

この靴も本当の評価を受ける迄、しばらく時間がかかりますが、良い評価を頂ける事を祈っております。


今回のフルオーダー靴、フルハンド製法。アッパー・アノネイカーフ、ライニング・デュプイカーフライニング、底材バーカーオークバーク。¥157500也。

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