| Home |
2011.09.08
靴の磨き方。

こちらは、オールソールに御持ち込みただいた靴で、オールソールを終えた状態です。BEAMSのオリジナルで、イタリア製のマッケイ製法の靴です。
マッケイ製法では、ソールを縫い付けるのに、中底と本底を一緒に縫う為、中底より外側を縫うことができません。対して、中底の外側に縫い付けられたウェルトとソールを縫い付けるグッドイヤー製法は中底より外側を縫う事になります。
結果、マッケイ製法はグッドイヤー製法より、ソールを縫い付ける縫い目が内側に来ます。
その為、靴底に縫い目を見せないヒドゥンチャネルで仕上げるには、ソールの断面から包丁を深くまで入れて、革を起こさないといけません。
実は、マッケイ製法のヒドゥンチャネルはグッドイヤー製法より緊張する作業なんです。

そしてこの靴、オールソールしたのにアッパーがこのままでは非常に残念なので靴磨きです。

革の乾燥、かさつきが非常に気になる為、栄養分を与えるのに、デリケートクリームを塗り暫く浸透を待ちます。
写真右がデリケートクリームを塗って、浸透待ちの状態。
左がデリケートクリームが浸透した後、柔らかい布で乾拭きした状態です。柔らかさが調度良いので、布は要らなくなったストールを再利用しております。
乾拭きで十分艶が出ます。しかし、擦れて色がはげている部分、雨シミ等有るのでこの後クリームで、色補修と雨シミをごまかします。

そして、乳化性のクリームを塗り込みました。
写真右が、クリームを塗り込んだ状態です。ここで、また暫く浸透待ちです。
雨シミが濃い為、革の色より少し濃い目の色のクリームを使用しました。
そして、浸透後ブラッシングした物が写真左です。
普通はこれで完成でOKですが、後10分ワックスで磨けば色っぽくなるので最後にワックスです。

写真右、これもクリーム同様、ワックスを光らせたい部分に塗って放置します。
浸透待ちと言うよりは、ワックスに入っているのロウを冷やし固める為です。
そして、水を数滴たらして柔らかい布と少量のワックスを加えて、優しく撫で磨くと光ってきます。満足いく艶が出るまでこれを繰り返し、最後にストッキングで磨けば写真左の様に艶が出ます。

最後に新しい靴ひもを通して、2枚目の写真と同じ角度で写真を撮りました。見比べてみてください。
別物ですね。
オールソールと一緒に今回の様に仕上げ直しをご依頼の場合、¥500にてサービス致しております。
ですので、今回のマッケイ製法のオールソール¥9500+仕上げ直し¥500で、合計¥10000也。
オールソールで、靴底はピカピカ、だけどアッパーはへたったまんまでは残念ですね。靴底も、アッパーもくたびれてしまった靴には併せてご用命下さい。御待ちしております。
スポンサーサイト
| Home |