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2011.09.14
チーニーのチャッカブーツ・ストームウェルトのリウェルト。

こちらはチーニーのチャッカブーツですが、ばらす前に写真を撮るのを忘れてしまいました。
御持ち込み頂いた際には既にウェルトがぼろぼろになっていた為、新たにウェルトを縫い直す、リウェルをする事になりました。
写真は、リウェルトの為、靴の中のシャンクやコルク等の不要な物をも全て取りさらった状態です。
そして今回使用するのはストームウェルトです。写真の様に、ウェルトの上面にポッコリと壁が付いております。
この壁が、ウェルトとアッパーの縫い目の隙間からの水の侵入を防ぐと言われております。
しかし、私個人の意見としてウェルトとアッパーの縫い目の隙間から水が浸透してくる頃には、アッパーは既にグッショリ濡れているはずだから、実用性より装飾性の方に重きが有る様な気がします。

なんだか、ドジョウの様でグロテスクに見えますが、ストームウェルトを水に浸けた状態です。
水に浸けるのは、革を柔らかくして縫い易くする為。
そして、少しウェルトを伸ばし気味で縫うと、乾いた時に少し縮み、ウェルトに張りが出ます。

後は、針とキリを用意して縫い進めて行きます。

靴の内側から元の縫い穴にキリを入れて、ウェルトに穴を開けます。

ウェルトに穴が開いたら、キリを抜くのを追いかける様に針を入れ縫います。

後は、縫い目がほどけない様に靴の中で縒りがかかる様に糸を引く事を繰り返せば、縫い上がりです。

縫い終えましたが、ウェルトの端の厚みが邪魔なので切り落とします。

余分なウェルトの端の厚みを整えて、ハンマーで叩くとこの様にフラットになります。
この後、元々靴の中に有った、シャンクやコルクの詰め直しです。

縫い上がりはこんな感じです。アッパーには紐の痕が残り、履きこまれた靴である事は解りますが、ウェルトが新しいと、新品の靴を作ってるかの様な錯覚を覚えます。
また後日続きをご紹介致します。
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ogacci
本日は、カカト修理ありがとうございました。私の靴の甲革を作ってくれた師匠の評価も上々でした。次回は木型と底付けの靴を持っていきます。よろしくです。m(_ _)m
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