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2011.09.18
ヒールの交換時期。

こちらは、ステファノベーメルがイタリアのバッグブランドのバレクストラに作った靴です。
その他オールソールの靴と一緒に、カカトがすぐ減ってしまうんだけど、交換時期は何時がいいんでしょうかとご相談にお持ち込み頂きました。

調度今が替え時と言う事で交換となりました。
黒い靴ですので解り難いかも知れませんが、写真を見て頂くとゴムがすり減って革に差し掛かろうとしております。
これが調度交換時です。
これ以上履いて革が減り出すと、ゴム部分のトップピースの交換と更に積み上げてる革の交換が必要になってきます。
カカトが無くなるまで履いてお持ち込み頂いても元通り修復は可能ですが、修理代が嵩みますし、あまりにも減った状態で履いていると靴がねじれてきて、知らず知らずの間に履き心地も悪くなってきます。ですので、トップピースが無くなり革に差し掛かろうとした時の交換をお勧めします。

そしてゴムを剥がすとこんな感じで、タイミング良くご相談頂いたので革は無傷です。

そしてここからは交換作業です。
先ず、新しいヒールを貼りました。

そして余分な部分を包丁で切り回しました。

ヒール全体に傷が付いて、がさついていたので薄皮を捲る様なイメージで、グラインダーをかけました。

ヒールの内側も奇麗にグラインダーをかけます。
写真左グラインダー前、グラインダー後です。

そして、底面の仕上げに入ります。
先ず、ヒールのエッジのバリを落とします。
写真はバリが出たままの状態です。

そして、バリを落としました。バリは金ヤスリで撫でるだけで落ち写真の様に奇麗になります。

そして、化粧釘です。
革の銀面(ツルツルな面)を削り落とし、真鍮釘を打ち込まずに1ミリ程残してカットします。1ミリ程飛び出た部分を金ヤスリで削ればヒールと面が揃います。

金ヤスリをかけて面が揃ったヒールをつやつやに仕上げるためふのりを入れます。

そして、ふのりを拭き取り、エッジにアイロンをかけると奇麗なヒール底面の完成です。
完成前と後を比べると全く印象が違いますね。
靴底ですから一度履けばそれまでが、奇麗が一番ですね。

そして、今度はヒール側面の仕上げです。
先ずはインクを入れました。

そしてロウインクを入れて、バフがけしたらご覧の様に艶が出ます。

最後にコテがけです。
写真左コテがかかっておりません。
写真右コテをかけた後。
違いは、エッジにスッと筋が通って見た目を引き締めてくれております。また、ヒール付根にシートウィール(ギザギザな飾り)を走らせております。
以上、だらだらと書きましたが、要約するとヒール交換¥2500也。
ヒールの傷が気になる方、ヒール交換時には一緒に奇麗に致しますので、是非御持ち下さい。御待ちしております。
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