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2011.10.27
Uチップの注文靴が完成しました。

昨日、ヒールに色を入れて終わっていた注文靴のUチップですが、本日完成です。
先ずは、コテがけからです。
今回の靴は底がダイナイトソールで、出し縫いは機械縫いです。
その為ウェルトはフラットで表情が有りません。これにまるで手で縫ったかの様に見せるロウ目付と言うコテがけをして行きます。
写真のその作業中。何をしているかと言うと、出し縫いの針穴一つ一つにコテで目をつけています。

するとご覧御様に写真左の様な表情になります。右と比べて頂くとグンと雰囲気が出たのが御解り頂けるかと思います。

そして今度はウェルト上にロウを塗り、先ほどのコテに熱を加えてロウを溶かし浸透させて行きます。

そしてヒールやコバも同様にロウを熱コテを使って浸透させて行きます。

そして、余分なロウを拭き取り、ビニールを剥がすと久しぶりに顔を見せました。

そして、木型を抜いて中敷きを入れました。

最後は磨き上げれば、手をかけて作って来たので案の定と言った感じに、素敵な靴となりました。

そして特徴的な細部を御紹介。
先ずはヒール。ダイナイトヒール&とソールでラバーですが、底から見ないとラバーだとは解らない様に仕上げております。

コバも同様。レザーソールのドレスシューズの様です。

そしてお尻には縫い目のないシームレス。ヒールはダブルウェルトでどっしりと安定感が有るヒールになっております。

そしてお尻接ぎは、靴の内側へ逃がしてあります。ですので、靴の外側は縫い目も接ぎもないご覧の様にスマートな横顔です。

そして最後は記念撮影です。手をかけて作った靴がお客様の元へ旅立つのが正直惜しくも思えます。しかし、お客様はそれ以上に完成を待ち遠しくされているでしょう。
私が、お客さんなら早く履いてみたくてたまらないと思います。

そして正面から。
やはり、ロウ目付正解でした。
奇麗にミシンの針穴に目がついています。これは機械では出来ません。必ずずれます。因に手縫いする場合は逆で、先にこの目をつけて、そこに穴を開けて縫って行きます。
以上、今回のダイナイト・ダブルソール、ダブルウェルトの底付けによる9分仕立てのUチップ¥94500也。
因に革はシボ入りのアニリンカーフ、ライニングはゴート、靴底はダイナイトソールです。
完成の余韻に浸る事なく、次に取りかかります。
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