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2011.11.28
ブーツの御手入れ。やれる事は全てやってみる。

コチラは履きこまれ、全体的な汚れ、シミ、傷、劣化、摩耗...が見られるブーツです。
今回はこのブーツにやってあげられる事は全てやってあげてくださいと御持ち込み頂きました。
現状は、週末の終電で見るサラリーマンの様に疲れが溜まり切ったヘロヘロの状態です。今迄の労をねぎらっての御手入れです。

先ず、各パーツのエッジはパイピング処理をされておりますが、表面が劣化しぼろぼろと落ち始めております。これは、パイピングの部分のみ合皮が用いられている為、時間と共に加水分解しこのような状態になっております。
全体が合皮なら手の施し様はございませんが、今回の様な小パーツなら手立てはございます。

そしてヒールですが、すり減りきっておりますので交換時期です。
またヒール全体の色もぬけ、傷も入り、乾燥してパサ着いた質感になっております。
これらも問題なく修復可能です。

また一部口が開き出しておりますが、これも修理可能です。

靴底もすり減り薄くなって、ツルツルです。
先ほど口の開きと共に靴底にも手を加えます。

そして、革の状態で気になるのが乾燥。全体的な汚れやシミも気になりますが、乾燥による革全体のかさつきが気になります。
そして、写真では解りませんが、ファスナーのスライドが非常に固いです。ブーツですので冬が終わると履かずに保管する為ファスナーに錆が浮く事が有りますが、このブーツは正にその状態です。
スライドが固くなったファスナーに無理な力を加えてスライドさせるのは引手の破損の原因になりますのでここにも少し手を加えます。
以上、気になる箇所を列挙しましたが、これらに手を加え出来る限り気持ちのいい状態に戻したいと思います。
また後日、変身ぶりを御紹介致します。
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