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アッパーが縫い上がって。本製作にかかります。

写真の様に、カカトの後ろにテープを縫い付けております。これはアッパーを木型に釣り込んだ時に、カカトが下がって来ない様に、所定の位置に固定させる釘を打ち付ける為のテープです。

この他にライニングを大きめに残し、そこに釘を打ち付けて固定し靴が出来てからその部分をカットする方法も有ります。

既製靴は、解り難い様に縫い目に釘を打ったり、痕が残る事おかまい無しに直接釘を打ち付けたりしている靴も有ります。

折角手間隙かけて作る靴ですので、目立たないとはいえアッパーに直接釘は打ちたく有りません。

因にこのテープは元有る縫い穴を拾って縫い付けているので仕上がった時に縫い糸を解けば、何も痕は残りません。
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アッパーが出来たら、今度は中底です。数日前から木型に癖付けをしていた中底を中底の底面に合わせて切り回しました。
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そして、先ず写真左の様に外側の溝を作ります。その後、写真右の様に内側の溝を作れば中底加工完了です。

この溝を使ってウェルトを縫い付けて行きます。

写真で見て取れる様に溝の内側に島の様に元厚を保った部分が有ります。これが、手縫い靴の優れた点の一つです。
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では、何故優れているのかをご説明致します。

コチラは、修理にお持ち込み頂いた機械縫いの靴で、調度オールソールの為靴底を剥がした所です。

先ず、上で紹介した中底との違いは、中底の厚みです。

今回製作に使用している中底の厚みは5ミリ程有ります。対して機械縫いの靴に使われる中底は3ミリ程度と手縫いの物と比べ薄いです。

この点で、やはり耐久性が違ってきますね。

そして、写真をよく見て頂くと、3ミリ厚の中底の端にL字に曲がった布テープが貼られています。この布テープが上の写真で言う溝の役割を果たしてウェルトが縫い付けられます。

しかし、このL字の立ち上がった高さ分、靴の中に空間が生まれます。この靴で言うと、ものさしの数値で約5ミリです。

この5ミリの空間を埋めるためコルクが入っています。コルクは軽く、程よい衝撃吸収性があり最初はいいのですが、だんだん押しつぶされ、更に先ほど説明した様に薄い中底の為、靴底が沈み込み最初は良かったフッティングが、いつの間にやら緩くなると言う事に繋がります。

対して、手縫いの靴は埋めるべき溝は少なく、コルクは薄盛りで、中底の厚みも有る為、沈み込みが少なく、最初のフィッティングに近い状態をキープしてくれると言意味で優れているのです。

しかし、中底が厚い分履き始めは靴の固さを感じます。それ故、中底には目が詰まり丈夫で有りながら、しなやかな牛の肩の部分の革を使用していますので、履きこむうちに適度な履き心地へと変化して行きます。

生のデニムを履きこんで良い色落ちを楽しむ様な感覚ですね。

正直初めから、柔らかい履き心地の靴でないと嫌だと言う方取ってはデメリットだらけの靴だと思います。

デニムも一緒ですね。初めから、色落ちのした、ダメージのあるジーンズを求める方には、生のデニムなんて固いし、臭いし、色移りするし、良いとこ無しですね。

しかし、履きこむ事で自分の物になる楽しみは、初めからそうである物には無い魅力だと思いこの手の靴作りをしております。









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