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コチラは、パラブーツの靴です。ヒールの交換に御持ち込み頂きました。
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問題のヒールはこの状態です。ゴムの残り紙一重ですが、結果もう少し履いて革が削れても大丈夫でした。何故なら、この続きをご覧頂くとご理解頂けるかと思います。
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そして、今回使用するのはコチラの英国製ビクトリーヒールです。勿論オリジナルと同じ物が有れば良いのですが、メーカー独自に作っている純正品は手に入りません。そこで見た目や雰囲気をあまり変えずに修理するのに最も適した素材かと思いビクトリーヒールを選択しました。

選択肢としてリッジウェイヒールも有りましたが、そちらはヒールが分厚すぎる為ヒールの積み革をほとんど取らなくてはいけなくなり、見た目の変化が大きいので却下しました。
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しかし、今回使用するビクトリーヒールも写真の様に、純正の物より少し厚目です。
この厚み分だけ積み上げている革を1枚剥がせば問題なく付けることができます。それ故、前記の様にゴムを通り越して、革も削れても大丈夫だったのです。
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そして、厚み調整の為に1枚積み革を剥がしました。
しかし、この積み革がの厚みが前後で異なっております。

これはヒールの傾斜を作る等と言われる作業で、起伏や傾斜のある靴底面にフラットな革を素直に貼ることは出来ず、積み革1枚1枚でその傾斜を取って行き最終的にフラットなヒール底面を作ります。

理想では、積み革の最後1枚は加工無しで貼るだけの状態になる様にそれ迄の革で傾斜を作れば良いのですが、合理化の為でしょうか、最後の1枚を大きく削って帳尻を合わせてあります。
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そして、これを何も知らずに革を1枚剥がしたからと言ってそのままヒールを貼ると写真の様な状態になり、歩き心地に影響が出ます。

ですので、後端部の浮き幅分をヒールの前部を削る事で、ヒールが奇麗に接地する様になり元の歩き心地をキープできます。
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そして、ヒール前部を少し削しました。するとヒールが地面にぺったりとつく様になりました。
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後は、普通通りに仕上げるのみです。ゴムが紙一重に有る程履けば、ヒールは色も抜け、傷付き、がさつきますが、仕上げで復活です。また、積み革を1枚取っただけですので革の積み上げのボリュームは健在で、ラバーでは出ない奇麗な艶を残しております。
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そして、靴底はこの仕上がりです。ソールのパターンとの相性がいいから取って付けた感がなくナチュラルですね。

フランスの靴のヒールのど真ん中にmade in englandはご愛嬌と言う事で今回の修理¥2500也。

今回はヒールの接地面をしっかり合わせましたが、靴の状態によってソールが減り過ぎていたりするとヒールの高さをキープしながら接地面をしっかり捉えるのは難しくなります。また、新品の状態から接地面が狂ってる靴が多々有りますので、見た目重視でヒールの高さを変えずにしあげたり、ソールが減っていると言う事は次にヒールが減った頃にはオールソールと言う考えで、履き心地重視で、ヒールを少しけずり、次回オールソール時に戻す等とケースバイケースで対応しております。
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