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2012.03.05
手製靴をミシンと手で縫ってオールソール。

時々、出し縫い迄全て手縫いの所謂フルハンドと言われる靴をお持ち込み頂く場合がございます。
出し縫い迄手で縫われているので、勿論ヒールやコバの仕上げなども手仕事で、機械で作られた靴には無いディテールが有ります。
それらの靴のヒール交換や爪先補修等は、時間はかかりますが手仕事で仕上げ、元のディテールをキープする様致しております。
しかし、オールソールとなると結構大変です。細かいピッチの出し縫いを一針一針元の穴を拾って縫うのは時間と手間がかかり、修理費用も大きく変わってきます。必ず手縫いでないと縫えない靴や、手縫いでないと嫌だと仰る方には、手縫いで対応致します。
しかし、ミシンで縫っても95%以上の確率で同じ穴を拾ってくれますので、ミシンで縫って経済的に修理する方法も有ります。
そして、この靴の場合は踏まずがえぐられており、その部分のみピッチが他の場所より広く縫われています。踏まずをピッチを広げてミシンで縫っても、えぐりが深いのでミシンが落ちてしまう可能性があります。ですので今回は、踏まずのみ手縫いです。

そして縫い上がりです。
前足部とのピッチの違いが見て取れるかと思います。この細かいピッチを手縫いで修理するのがどれ程時間がかかるか想像頂けますでしょうか?それをミシンで縫うと数十秒です。そして、修理代も手頃な範囲内で納まってきます。
そして気になる、ミシンがどれだけ同じ穴を拾えたかですが、99%以上同じ穴を拾ってます。目視で、両足で1箇所のみ狂いは有るものその他はパーフェクトです。
ミシン縫いの糸は、手縫いの糸よりも縒りが強くかかっているので、縫い上がりの風合いが少し異なります。これらの事が気にならない方は、ミシンで手製靴をオールソールしては如何でしょうか?
勿論、出し縫いをミシンで縫う以外は、しっかりと手間暇かけてオリジナル同様に戻しますのでご安心下さい。
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