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2012.04.13
男らしいの注文靴がほぼ完成

ここ数日、ブログの更新を飛々で御休みして靴の製作を押し進めて参りました。
その靴がビニールの中にあります。今迄一度もブログにupする事が無かった靴です。

そして正体は、コチラ。黒のセミブローグです。
まだ、仕上げをしていないので革の断面が白く目立ちますが、仕上げをすれば落ち着きます。
因に、この白い断面はアニリンカーフを使っている証拠です。
アニリンカーフは、革の質感を損なわない様に薄い水性染料で仕上げられた子牛の革で、原皮そのものの質が良いもので無いと革になりません。仮に状態の悪い原皮から作ると、傷や汚れが目立ってしまいます。
それ故高価で、主に高級皮革製品の製作に用いられます。
実際に製品になると切断面は仕上げで革と同色になっている為、素人目にはアニリンカーフなのか判断はつか無いと思います。
ショックでは有りますが、靴の爪先をどこかに引っ掛けた時に傷口の中が真っ白ならアニリンカーフだったんだと思って下さい。
そして、良い革使って作られた靴だったんだなと、心の傷を癒して下さい。

そして、アッパーにアイロンがけです。ビニールで細かい皺が着きますが、このアイロンで奇麗に伸びます。

そして、磨き上げればこの通り。白かった切断面や穴飾りに色が入り落ち着きました。

そして、靴底はご要望でヴィンテージスチールを最初から取り付けてあります。理由としては、この靴の前足部のみダブルソールになっている、所謂スペードソールと言われる仕様で、靴底が固く履き始めは爪先で蹴り出すので、著しく爪先が減る事が想定されるからです。

そのスペードソールを横からです。踏まずから前にかけてボリュームが出ているのが御解り頂けるでしょうか?
また、ソール自体は5.2mmと厚めのソールを使用し、コバの出幅も少し張り気味に残し、男らしい靴を目指しました。
比較的幅の有る足の割に、カカト周りは小さ目と言う足に合わせ作った靴の為、既製靴に無い独特な雰囲気を持った靴になりました。
そして、これで完成ではないかと言われますが、もう姑く木型に沿わせ革に木型の形を覚えさせる為に寝かせます。これも、出来上がってすぐに木型を抜く既製靴との違いです。
ですので、ブログタイトルを「ほぼ完成」にしました。
また、木型を抜いた時に最終仕上げをして、詳しいディテールをご紹介致します。
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