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こちらは、モディファイドラストと言われる、木型で作られたオールデンの靴です。

元々足に障害を持つ人向けに作られた木型を一般向けに改良された物が、モディファイドラストです。それ故、見た目はくの字に折れ曲がり少し偏窟に見えますが、癖になる様な独特な履き心地が有ります。
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この靴ですが、ご覧の様に靴底に大きな穴が開いてオールソールにお持ち込み下さいました。
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先ずは、ばらします。

ヒールは内外非対称のトーマスヒールと言われる形状です。これもこの靴の特徴の一つで、土踏まずをよりしっかりとサポートしてくれる様に内側のヒールの面積が広くなった、医学的な見地で作られたヒールです。

その内外非対称のトーマスヒールには、約10ミリ厚のフットバランスヒールと言うラバーヒールが使われておりますが、写真を良く見て下さい。

そこに、MADE IN CHINAの文字が有ります。中国の幅の利かせ方を感じさせられますね。

そして、ソールを剥がした後をご覧下さい。ソールに穴が開いてから暫く履き続けていたのでコルクが 削れております。
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コルクがすり減っていたし、全体的にもろくなっていたので、全て剥がして新しいコルクを詰めました。
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そして、オールデンのオリジナルとして採用されているこのドイツKILGER社のオークバークソールを新たに貼付けます。
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ソールを貼り合わせたのが右側、それを元の形に切り回したのが左側です。
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そして、出し縫いの為にソールの側面から包丁を入れて、革を起こします。

革を起こした状態が上側、そして出し縫いがかかる溝を掘った状態がその下です。
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そして、溝に出し縫いがかかると右の状態になります。そして、起こしていた革を伏せ直すと左の様な状態になります。
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そして、オリジナル同様に内外非対称になる様にヒールを積んで行きます。
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そしてトップリフトは、オリジナルのフットバランスヒールが手に入れば採用しても良いのですが、流石にこれは一般には流通しておらず、同厚で耐久性に優れるビブラムのサンライズリフトを採用しております。
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そして、ヒールとコバをグラインダーで仕上げたのが写真右。それにインクを塗ったのが写真左です。
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後は、バフがけでヒールもコバもつやつやに仕上がります。
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靴底も奇麗に磨き上げて仕上がりです。
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そして、アッパーも磨けばご覧の様に新品とまでは行きませんが、アジのあるお手入れが行き届いた靴と言った感じに復活です。

以上、今回の修理は¥12600也。

靴底を奇麗にするのだから、アッパーご一緒に如何でしょうか。
靴磨きは¥500也。
修理上がりの履き出しが、新品以上に楽しみ思えますよ。

今回、オールソールの一連をざっくりとご紹介致しましたが、実際はもっと細々とした作業が間に入っております。また、機会があればその細々した部分もご紹介致します。

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