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2013.03.06
黒革は七難隠す。黒い靴の傷を消す。

コチラ一見まだ新しい靴に見えますが、右足の爪先に引っ掛けた傷が有ります。下ろしたてで傷が入るとショック。と言う事で、お持ち込み下さいました。

問題の傷がコチラ。爪先に傷が有るのは、人で言う顔に傷が有るのと同じで、最も目立つ所です。目立つ故に、靴を作る時には、出来るだけ革質の良い部位を爪先のパーツに使う程です。

昔の人は、色白は七難隠すと言いますが、靴の場合は逆で、白い革は非常に扱い難い素材で、対して黒革は七難隠すです。黒革はなんとかなります。
そして写真はなんとかすべく、傷をぼかす様なイメージで傷をヤスリでならしております。

大胆に傷をならしたら、マッチの燃えカスと爪先の芯を固める為の糊を練った物を傷に擦り込み暫く放置しその後磨きます。
これは、昔の職人さんの知恵で、そこ付けの作業等で踏まず部分を攻めた作りをして傷が入った時等はこうして傷隠しをしたそうです。その他クレヨンを使う等も聞いた事も有りますが、そちらはまだ試した事は有りません。

そして磨き込むと傷は馴染んでわからなくなりました。

最後は、普段靴を磨くのと同様にクリームとワックスを使い磨き上げれば完成です。

以上今回の修理は¥1500也。
靴の傷が消えれば、靴が傷付いた事で出来た心の傷も癒えるはずです。
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