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この2足は私共で製作した靴です。

1足は、底縫いのすべてを手で縫うフルハンドメイド、もう1足は底縫いの外に見える出し縫いを機械で縫った九分仕立てです。

違いが解りますか。答えはスウェードの靴がフルハンドの靴です。

同じ木型で同じデザインの靴を作れば、フルハンドも九分仕立ても履き心地に大きな違いは有りません。では、その違いは何かと言われると見え方、雰囲気です。

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コチラは、九分仕立ての踏まずです。解り易い様にオリジナルの写真と露出をあげた写真を並べました。


ぱっと見た感じは踏まず部分が深くえぐれスマートな印象です。しかし、露出をあげた写真をよく見ると踏まず部分にもコバの張出しが有って、しっかり縫いが見えますね。

これは、機械で縫う限界です。これ以上の表現は機械縫いでは難しくなってきます。
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それを手縫いで仕上げると完全に踏まず部分のコバの張出しは無くなり、出し縫いも見えなくなります。
これは、踏まず部分のウェルト、ソールを薄く加工し、出し縫いをかけた後にコテでソールをアッパーに沿わせるからです。
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写真 120140331120321
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勿論単純に、ソールを貼付けて縫ってから加工する訳ではなく、仕上がりを想定した前加工が有ります。また、ソールは水に漬込んで柔らかくして作業する事で、如何様にも成形する事が出来る様になります。

単純に解り易い説明では9分仕立ては出し縫いが機械、フルハンドは手縫いと解釈されますが、私はそれ以外の作業が仕上がりを大きく左右している様に感じております。
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前加工してフニャフニャになったソールを縫い終わったら、ソールが湿っているうちに写真の木の棒でソールをグイグイ擦って底面の形成し、乾くとご覧御様なフィドルバックが出来て参ります。

靴底は濡らさず、前加工無しでやり様によっては近い表現は出来ますが、取って付けた感は否めません。並べてみると違いを感じます。
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その他、ヒールも革を1枚1枚積んで、手で切り回し、削りして形を作って行くので違いはでます。

機械で削り形を作った直線的なヒールに対して、手で作った物には曲線が混じりグラマラスな印象が有ります。
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そして、そのヒールから踏まず部分へのコバの繋がリにも違いがでてきます。

その他、違いはたくさん有りますが、写真では伝え難いです。と言う事は、履いてる人以外違いが解る事は殆どないのでしょう。

だから、正直フルハンドの靴は自己満足の世界だと思います。しかし、ハマる人は病みつきになる様で嗜好性の高い物の様に思います。

だから、出来る事なら知らない方が良いかも知れませんね。タバコを吸って満足してれば良いのに、大麻に手を出してしまう様な感覚でしょうか?

私自身、タバコは一切吸わないので解りませんが、ワインやステレオはそうですね。同じ様な底なしの世界が靴にも有ります。

程々が良いです。行き着く先は靴職人。自分で作ってやろうと思い出すとストップが効かなくなります。これがシューホリックです。

皆様、靴には御気を付け下さい。
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