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今日は、出し縫いを片足終わらせました。
前の職場には、出し縫いを、朝早く起きて家で縫ってくる先輩がいました。本当に朝飯前の出し縫いです。
ミラノの年配の職人さんは毎日、毎朝6時頃から仕事をしていました。
と言う事で彼らを見習い、営業前に出し縫いをと普段より2時間早く出勤し、出し縫いをしました。

先ず写真は、先日コルクを詰め終えた状態から、ある程度のウェルトの出幅を決めて、ウェルト包丁で切り整えて、ヒール周りにハチマキと言われる馬蹄型の革を巻いたところです。本底は、びっしょりです。一昼夜水に付け柔らかくしてます。

ハチマキは、ヒールを着ける位置の底面の膨らみを取る役割が有ります。これとは別で、より踵がガチッと食らい付いた表現ができる、本底を貼った後に付ける作り方も有ります。気になる方は、過去の注文靴をご覧下さい。

今回は、ハチマキを先に着けたにも関わらず見た目は後から付けたものと遜色の無い様なヒール周りを目指し、本底を一切加工せずに全周5ミリの厚みで、気持ち上品、気持ちどっしりの底着けにするつもりです。抽象的ですが、出来上がりを見てください。意図している事が、おそらく伝わると思います。
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でっ、いきなり縫い上がってます。
途中経過の写真を忘れてしまいました。営業時間迄に縫い上げねばとの焦りからでしょう。

基本、オールソールの修理などで行っている作業と同じです。本底を張り合わせた後、ウェルトに合わせ本底を切り回します。そして、ここが修理と少し異なるところでウィールをかけます。縫いたいピッチのギザギザをウェルト上に付けます。このピッチも色々有りますが、今回カジュアルな靴によく使われるピッチにました。約3ミリ1ステッチのピッチです。

後は、またオールソールの修理同様、断面から包丁を入れて、革を一度起こし、中に縫い糸が収まる溝を作って縫いに入ります。
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ウィールで付けたギザの谷を縫って行くとこんな感じです。
縫うと言っても、縫い糸の加工も有ります。その加工に使う、松脂の準備も有ります。縫い出す迄また時間がかかります。そして、縫い出しても、3ミリずつしか進めません時間がかかります。

と言う事で、ここを機械で縫うと物の数十秒です。そして靴としての値段もぐっと下がります。

しかし、機械でこの縫い目の風合いは出せません。勿論、靴としての機能は、機械で縫っても手で縫ってもほぼ一緒です。そして、機械には機械の良さが有ります。好み、こだわりの世界ですね。

しかし、一度靴に魅了されるとすぐ次に手を出したくなり、違うデザイン、違う革、もっと良い靴と底なしに...。個人的に靴は、一種の嗜好品かと思ってます。私もその結果作り手に回りました。
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