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この2足の内、1足はフルハンド、1足は部分的に機械を使って作る九分仕立てです。

先ず、写真の状態では判別できません。また、履いている状態でも同様で、履いている本人か作り手ぐらいにしか解らないでしょう。

しかし、この2足を実際に目の前にすると、何処がどうとかでは無く、何か違うと言う事を感覚的に感じるかと思います。

そして、この感覚的に感じる部分が大切だと思い、九分仕立てのも手前共で仕上げております。木型とアッパーが有れば、スクイ縫いまでやって、残りの作業を外注に出せばそれなりの感じで仕上がってきます。

しかし、それでは感覚的に何か違うと感じさせるには力不足な気がします。結局それは、高級既製靴を目にした時に感じる感情止まりの気がするのです。

そう言った意味で、外注を利用しておりません。勿論、小ロットで同じ感覚をもって引き受けてくれる外注先が有れば話は別ですが。現在御座いません。
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では、実際に私共の九分仕立てがどの様に作られているかですが、基本は現実的な範囲内で、可能な限りフルハンドに近い仕上がりが目標です。

上がフルハンド、下が九分仕立て。

一見踏まず部分の張出しが無く共に同じ様に見えますが、写真を良く見て頂くと解るかと思いますが、フルハンドで作った靴は踏まず部分が横から見ても薄く見えます。対して、九分仕立て靴と比べると太く見えます。
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そして、ヒールの形も一見同じ様に見えても、アッパーに面一で食らい付き、緩やかなカーブが入ったフルハンドのヒールに対し、機械で削り出した九分仕立てのヒールは、勿論、フルハンドらしく表現しようとはしておりますが、緩やかなカーブは無く直線的で少し色気に欠けますね。
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踏まずの絞り込みは、フルハンドでは手で縫うので限界はないと言っても過言では有りません。対して機械では縫える限界があります。既製靴には無い起伏と細いフマズを見れば何か違うと感じるはずです。
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そして、フルハンドと9分仕立ての大きな違いの出し縫いですが、フルハンドは、ウェルト上につけた波形の模様の谷に全ての縫いが落ちます。それ故、仕上がりでは出し縫いが解りません。対して、九分仕立ては作業工程が逆で、ミシンで出し縫いかけた後に、波形の模様を出し縫いの脇に入れています。

これも一見すれば解らない所ですが、よく見ると全く別ものです。

以上の事から御解り頂けたかと思いますが、9分仕立てとフルハンドでは別物です。また、フルハンドに可能な限り近づけた9分仕立てもまた、世に言う9分仕立てとは別物です。

本日12月27日にて本年の営業が終了致しました。来年も皆様の感性、感覚に訴えかけ、説明の必要の無い仕事を心がけ1月6日より営業の予定です。
皆様のご来店を御待ちしております。

それでは良いお年を御迎え下さい。

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