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コチラは、今となっては珍しいジョンロブのコテージラインのUチップです。

ウェルトが劣化しどうしようもなくなった状態です。しかし製法上、製造時と同じプロセスをたどって修理をすれば、見た目も元通りで、問題なく履ける様になります。

手間隙かかる作りで高価な靴ですが、こう言った時にやはりしっかりした作りの物を選んで正解だったと思えますね。
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問題のウェルトはこの状態です、永年履かれ、恐らく複数回雨等で濡れて行くうちに腐って来たのでしょう。触るだけで簡単に崩れ落ちます。
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ソールを引っ張れば簡単にソールが剝がれました。全く底縫いの意味をなさない状態になっておりました。
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そして、古い残ったウェルトや縫い糸を取りました。

これから先は、基本的に製造時と同じプロセスを辿るだけです。しかし、この靴に合う様に加工されたウェルトが用意されている訳ではないので、先ずはウェルトの加工からです。
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左の古いウェルトを参考に、切り出した革を加工して行きます。
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アッパーに沿う部分を適度な厚みになる様に漉きます。本来ウェルトの縫い付け部は靴の中に隠れる部分ですが、この製法で装飾的に露出します。ですので分厚すぎると見た目に不細工。薄すぎるとスクイ縫いのテンションに負けてウェルトが蛇行しがちなので、均一に程々の厚みが残る様に慎重に漉きます。
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そして、ウェルト上に切れ目を入れる事でL字に立ち上げる事が出来ます。
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材料の準備が整ったら、縫い付けて行くのみです。先ほども言った様に見える部分ですので均一蛇行しない様にウェルトにすくい針を出して行きます。
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そして縫い上がりがコチラです。この後は、グッドイヤー製法の靴と同様の作業となって行きます。
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縫い上がりはコチラです。今回は靴の雰囲気に併せたWソールのリッジウェイソールを選択頂きました。
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後は、ヒールが積み上がれば完成です。
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ボロボロだったウェルトも一新しました。
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最後にかさついていたアッパーのケアをすればご覧の様に完全復活です。

交換の出来ないパーツ(アッパー、ライニング、中底)の状態に劣化や大きなダメージが無ければ、この靴の様に靴底がどの様な状態であっても奇麗に復活します。

色々と手仕事が入るので少し修理費用は嵩みますが、ご予算御座いましたらご検討下さい。

今回の修理は ノルウェィージャンウェルテッドのリウェルト¥8000、Wソール¥2000,リッジウェイソールでのオールソール¥11800

Tot.¥21800
也。



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