靴の製作で花形的な仕事として着目されがちなのは、靴底を縫い付ける底付けと言われる仕事で、アッパーの縫製にそれほど目を向けられる事は少ないでしょう。

単純に、革を切り出して、ミシンで縫うと言ってしまえばそれまでですが、デザインや作りにもよりますが実際にミシンを踏んでいる時間は全行程の5%程度だと思います。

あまり注目されない、残りの95%の一部をご紹介します。
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こちらは裁断ですが、現在製作中の靴は断ち端がギザギザのデザインの為、包丁の他にピンキングはさみを用いて裁断をしております。
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穴開けも慎重に穴と穴が繋がってダルマ型にならない様に手仕事です。
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そして、補強の為に芯を入れます。コチラはアイレットの補強革です。その他、必要に応じて厚みや硬さを変えて芯を入れています。勿論アッパーとライニングの間に入る為、芯の厚みを拾わない様に端は薄くなだらかに漉いております。
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また、断ち端のバサツキを抑える為にエッジコーティングをしております。細い目打ちを使って、先ほどのギザギザの谷までしっかりと塗り込みます。今回使用した革は、エンボス加工が施された革ですので、それほどでもありませんが、スウェードの場合はみ出し厳禁。はみ出したら拭き取っても、汚れは残る為やり直しとなる、非常に神経を使う作業になります。
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そして、ビーディングです。履き口やベロのアッパーとライニングの間に、補強と装飾を兼ね備えた薄い帯状の革を均等な出幅になる様に貼付けます。カーブは写真の様に目打ちを使っていせ込んで行きます。
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そして、この靴はメダリオンも有るので穴隠しです。これが無いと、爪先の芯を入れた時に芯を固めるノリが、メダリオンの穴から出て来てしまいます。
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以上、ザックリと全工程の一部ですが、ミシンを踏んでいる時以外の作業を御紹介致しました。結局はより奇麗に、丈夫に仕上げる為、見えな部分の仕事がミシンを踏む時間より遥かに長いと言う事です。

靴職人を目指す多くは、底付け志願の様に感じますが、アッパーを縫うクローザーの仕事の大切さにも注目ですね。

靴の顔であるアッパーを作る人ですから、高度な縫製技術を持った職人は大切です。セクシーなスタイルを上手に作る底付けの職人さんだけでは、顔がいまいちのスタイルの良いブサイクさんが生まれてきます。それでは、残念すぎますね。
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