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コチラは、ローマ法王や洒落者で有名だった元フィアット会長のアニエッリ氏に愛されたボノーラの靴です。

今日の主流はグッドイヤー製法で生産足数は増えているそうですが、昔はハンドソーンウェルテッド主流の手仕事で月に20〜30足程度と量より質を大切にしており、旧体制ではジョンロブの上位モデルの生産を請け負っていた事もある工房です。

そんな旧体制下で制作された古いボノーラの靴をヒール交換にお持ち込み頂きました。

作りは非常に丁寧で、モカ縫いのピッチの細かさ等、最近の靴では中々目にする事が出来ない繊細な仕事です。
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そして、問題のヒールはすり減ってこんな感じです。とは言え、オールレザーのトップリフトですり減りは見て取り難いですがすり減っています。

今回はオリジナル同様に直して欲しいと言う御依頼です。
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先ず、素材は固いベンズ(底材)の中から更に固い箇所を選んで切り出します。
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切り出した革を水に漬込みます。
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水にふやけた革を鉄板の上に置き、ハンマーで叩いて、革の繊維の目を詰めて行きます。
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そして、ローラーでハンマーで出来た凸凹をならしてフラットにします。
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先ほどの革を1日乾燥させて靴に貼り回あわせました。この時点で革は目が詰まり、木の板の様にカチカチに固くなっています。
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貼り合わせた革を切り回し、削り、ヒールの形を整えました。
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そして、元々着いていたヒールをお手本に、真鍮釘を同様に打ちました。
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ヒールを磨き色を入れて、ヒールのエッジにロウを溶かし入れ、見た目を引き締めます。
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最後は底面を磨き上げれば元通りです。
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勿論ヒールの側面も磨き上げて、コテをあて直してピカピカで引き締まっております。

以上、今回の修理は¥3500也。

確実にゴムよりも革の方がすり減りは早いです。しかし、オリジナルにこだわるのであれば、昔ながらの方法で修理対応させて頂きます。



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