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コチラは、今まで何足かご注文頂き、その都度実際に暫く履いてみて気になる点を修正して、木型が定まったと言う事でご注文頂いたローファーです。

ローファーは紐もバックルも無い分、脱ぎ履きは簡単な反面、履きたい時に履けなくてはいけない。脱ぎたい時に脱げなくてはいけない。そして、履いている時には脱げてはいけないと言う矛盾のある靴ですので、しっかりとしたフィッティングを得るのは難しいの靴なのです。

ですので、私共では1足目からのローファーのご注文はお断りさせて頂いております。何足か作って定まった木型での製作のみとさせて頂いております。
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そして、このローファーですがカジュアルにと言うご注文でした。捨て寸(足の指先に有る靴の中の空間)を短く寸詰まりにして、内外両踏まずからヒールに流れるラインを直線的にしたりと通常のドレスシューズを作る感覚とは少し異なり、カジュアル感、野暮ったさを感じさせながら、ダサクならないさじ加減の難しさを感じる仕事でした。
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そして、上品になりすぎない程度に拘りの作りも盛り込んでおります。ヒールはカウンターパーツも接ぎも無いシームレスヒールです。
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そして、履き口の処理はローファーによく見られるパイピングではなく、ドレスシューズによく有るアッパーとライニングの間に帯革を挟み込んで縫うビーディングと言う仕様です。

パイピングは装飾的な意味合いでは非常に効果的かも知れません。しかし、日頃修理をしていてパイピングの擦り切れ修理のご相談によく靴をお持ち込み頂きます。勿論修理できない訳は有りませんが、元通りに修理と言う訳にはいきません。

ですので、履き口は長年履く事を前提に、耐久性、メンテナンス面からビーディングにしております。
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そして、靴底はリッジウェイソール。アッパーは仏のアノネイ社のシボ革で傷もそれほど気にする事無くガンガン履いて頂ける1足となりました。

以上、今回のローファーは¥103680也。

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