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遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

本年一発目から、強者がやって参りました。

永年履かずに下駄箱の片隅に眠っていたオールデンのチャッカーブーツを御持ち込み頂きました。

見ての通り、全体が青カビに侵された状態です。
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そして、靴の内側も擦り切れて穴が開いています。
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ダブルソールの靴ですが、ソールはすり減って、シングルソールよりも薄くなっています。
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アウトソールは雨で濡れて、乾燥する時に縮んでミッドソールやウェルトよりも一回り小さくなっています。
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ウェルトの付け根は革が乾燥して裂けてしまっています。

こんな靴ですが、何とか復活させます。

また順を追って紹介させて頂きます。本年も旧年に引き続き、どうぞよろしくお願い致します。




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コチラの靴はソールがボロボロで履き様のない状態で御持ち込み下さいました。
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問題のソールはこの様な状態です。ウレタンソールが過水分解して、手で触るだけで砕け落ちる状態です。ウレタンは、丈夫な素材ですが、靴を履かなかったとしても、置いておくだけで経年の加水分解によってこの様な状態になってしまいます。
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靴の製法はグッドイヤー製法ですので、靴底以外の部分に問題がなければ、問題なく修理することができます。

今回は、御客様が希望の仕様を簡単な絵にして御持ち込みくださいましたので、御希望の仕様での完全復活を目指します。と、言う事で靴底は勿論、雰囲気に欠けるプラスティック製のウェルトも交換するので外しました。
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そして、本革ウェルトでリウェルトです。
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そして、ソールの貼り合わせです。今回の仕様は5mmのソールにVibramのタンクハーフソール#2333になっております。
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そして、ハーフソールも一緒に縫い上がりです。フマズはチャネル仕上げで、縫い目がソールの中に隠れて見えませんが、しっかりと縫われております。
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そして、ヒールは革の積み上げをはさんでトップリフトはVibram#4333です。ハーフソールとの相性はいい感じですね。
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そして、靴底、コバを磨き上げて、色を入れない素上げで完成です。
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仕上がりはこんな感じです。恐らくオリジナルを凌駕した仕上がりとなったはずです。

以上、今回の修理は¥21500也。

デットストックの靴や、長期保管していたヴィンテージシューズを履こうと思うと靴底が砕ける様な場合、製法によってはこの靴の様に完全復活も可能です。アッパーのデザインが気に入っていて、革の状態がいい靴なら処分する前に是非ご相談下さい。それは、最高のレストアベースです。

錆びだらけのクラシックカーをピカピカの新車の様にレストアする感覚で、復活させて見せます。


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コチラはオールデンの人気モデルのタンカーブーツです。買って間もないとの事ですが、残念な事にフックがぐらぐらで心配とご相談頂きました。
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問題のフックはこのような状態です。緩く打ち込まれて浮いており、くるくる回ってしまいます。
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裏はこの状態です。開いて中を見てみるとフックはアッパーのみに固定されている状態です。しかも、菊割りと言う止め方ですが、肝心の菊割りが割り切れていないのです。

写真で見て取れる様にアッパーの裏には補強のガラス繊維のテープが入っておりますが、紐を締め付ける度にアッパーにテンションがかかり続ける訳ですから、いつかはフックが抜けるか、最悪のケースではフックが抜ける事でアッパの内側から革を裂いてしまうかも知れません。

では、何故このつくりにしたのか?

足当りの問題?タンがあるからフックの裏が足に足あたる事は無い。
菊割りを見せたく無かった?下の鳩目の菊割りは丸見え
ミシンで縫いやすい様に?逆に縫い難くなっている。
等々.......。

色々考えましたが、納得のいく理由が見つかりません。

取り敢えず、現状のままでは良く無いと言うのは確かですので、最も理にかなった形で修理しようと思います。

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一先ず全てのフックを外しました。
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そして、新しいフックをライニングまで貫通させて座金で固定しました。

これで、テンションはアッパーだけでなく、ライニングにも逃げてくれる上、菊割りよりも外れにくく、安心して履いて頂けるかと思います。
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以上、今回の修理はフック交換1コ¥300也。

今回はフックをフックに交換しましたが、靴によっては鳩目をフックにする事も可能です。脱ぎ履きが面倒な丈の長いブーツの上の鳩目をフックに変えると脱ぎ履きもしやすくなりますよ。

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コチラはレッドウイングのベックマンです。ハーフソールの劣化とヒールの擦り減りで修理の御依頼です。
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問題の靴底はこのような状態です。ハーフソールはウレタンゴムの様で耐摩耗性はありますが、経年劣化によりひび割れて来たりもします。
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劣化を止めたり、劣化した物の上に何かしら継ぎ足したりと言う事はできませんので、劣化した部分は取り除きます。
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ハーフソールにも出し縫いがかかっていたので、取り外す事で全て出し縫いが切れますので、それも全て取り除きます。
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そして、できる限りオリジナルに近い形で仕上げる為に選択した素材はコチラです。元の形状に近いビブラムのタンクハーフソールとホワイツの純正でも採用されているQUABARGヒールです。
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ヒールはQUABARGのみではオリジナルの高さには足りないので、革の積み上げを挟んでヒールの高さを合わせています。
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そして、出し縫いを縫い直せば元通りです。
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オリジナルの雰囲気を崩さずに靴底をリフレッシュです。

以上、今回の修理はハーフソール¥2700、出し縫い縫い直し¥1800、QUABARG¥2800、積み上¥1000、TOT.¥8300也


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ヒールを履く女性なら誰しも、ヒールを溝に引っ掛けてしまったりしてこのような状態になって凹んだという経験が有るかと思いますが、スタックヒールと言う種類のヒールなら以外と手軽に修理が可能です。
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スタックヒールと言うのは、写真の様な何層に重ねた革を薄くシート状にした物がプラスチックのヒールに巻き付けられた物です。

靴はダメージが有ったスタックを取り除き、プラスチックが顔をのぞかせた状態です。ダメージが有った部分を当たらしスタックに張り替えるだけで、気にならないレベルまでの復活は可能です。
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そして、新しいスタックを貼った状態がコチラです。元のスタックと新しいスタックでは僅か0.数ミリ厚みの違いが有るので、ガラスをカンナ代わりに使い、境界線をぼかしています。
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そして、色を塗って、磨けばこの状態です。
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最後は新しいトップリフトをつけて完成です。ヒールを根元から外して、革を巻き直して、またヒールをつけ直してと言う手間が無い分手軽にできる修理です。時間も修理費用も節約できます。

以上、今回の修理は¥2800(トップリフト交換代含)也。