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先日御紹介させて頂きましたノルウィージャンウェルテッド製法のブーツですが、完成致しました。
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L字に立ち上がったウェルト上に見えるスクイ縫いとそれに絡げた麻糸が特徴的な製法です。
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底はミッドソールを挟んだリッジウィソールで、ウェルトと合わさり非常にボリューミーでグリップ力も十分です。
ご注文頂いた方が、北陸にお住まいの御客様で雪を見越した作りとなっております。
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ですので、ベロも雪が侵入し無い様に、昔のスキー靴やスノーブーツ等と同じ袋ベロになっております。また、革も水の浸透が遅いシボ革を選択されました。
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そして、アクセントでモカ縫いはスキンステッチと言う非常に洒落た雪の日対応のブーツになりました。

勿論、今日のハイテク素材が使われ、靴底に縫い目の無い、何ならアッパーにも縫い目の無いブーツの方が幾分機能的かとは思いますが、そのような素材も無かった昔の職人の知恵から生まれた作りのブーツを敢えて今日履くのは非常にお洒落だと思います。

快適装備が沢山ついた車がある今日、クーラーもついていないクラシックカーを敢えて選び、三角窓を開けて、自然の風を思いっきりを受けながら、少し日が暮れて涼しくなった時間帯にドライブする感覚に近いかと思います。

好きな人は、こういうのがとことん好きなんです。因に私もその口なんです。
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ウェルトを介したノルウィージャン製法でブーツを製作中です。
先ずは、ウェルトを作る所からです。

コチラは切り出されたショルダー(牛の方の部位)です。柔らかさがノルウィージャンウェルテッド製法に適しています。
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この製法の靴の場合、素上げ(色を入れない仕上げ)も良く目にしますが、今回は色を入れます。
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そして、加工しやすく水につけて革をふやけさせます。
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ウェルトがふやけたところで、適した厚みに漉きます。アッパー側面からコバ断面にかけてなだらかな傾斜がかかる様な漉き方にしています。
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漉きを終えたウェルトの裏に浅い溝を掘り、そこを折り目にするとウェルトをLに立ち上げる事ができます。
これで、ウェルトは完成です。
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出来上がったウェルトを麻糸ですくい縫っていけば良いのですが、ここでこの製法ならではの麻糸の絡げ縫いが入ります。
絡げる糸は、靴のサイズ、デザイン、底付けの雰囲気に合わせて、糸の太さを調整しますが、今回はスクイ糸よりも若干細めの麻糸を選択しました。
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そして、縫い上がりがコチラです。ノルウィージャンウェルテッドならではのコバの雰囲気が出て来ました。
完成はまた追ってご紹介致します。

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コチラのローファーはサドルのテンションがかかる部分の破れで修理に御持ち込み頂きました。
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問題の箇所はテンションがかかり徐々に破れがひろがりつつあります。この状態でうら側に補強を入れる事も可能ですが、破れた部分はそのままの見た目で残る為、サドルを新しい物にする事になりました。

同じ交換するなら、イメージチェンジと言う事で異なる色でサドルを製作する事になりました。
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先ずはサドルを取り外しました。
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取り外したサドルから型紙を作り、新しい革でサドルを製作しました。
真ん中の窓から内側のベロの継ぎ目の白いステッチが見えてしまうので、穴隠しを古いサドルから移植して、テンションがかかる部分は補強テープを入れています。
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後は、元の位置に貼り、縫い合わせれば完成です。バイカラーでイメチェンが図れました。

以上、今回の修理は¥4000也。

履き込んで少し飽きて来た靴の修理で、交換ついでに全く異なる色素材を用いてのイメージチェンジ御手伝い致します。




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コチラはJMウエストンのハントダービーです。元々ブーツだった物を足首周りでカットして短靴にした独特のデザインとボリュームのある靴底が特徴ですね。今回は、コチラのヒール交換をご依頼頂きました。
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そのヒールはコチラです。このデザインの靴に合ったスチールが取り付けられております。強度は良いけど、実用面を考えると滑る、音が鳴る、足への負担が気になるところです。
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そこで、今回はコチラのjrレンデンバッハの革×ゴムのヒールに交換です。
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スチールとその上の革の層とで調度新しいヒールと同じ厚みなので、スチールと革を剥がして、新しいヒールを取り付ければおしまいとはいきません。
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何故なら、この革良く見るとカカト側から爪先に向けて厚みがだんだん薄くなっているのです。
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剥がした革がコチラです。左から右にだんだん薄くなっているのがお分かりかと思います。
この傾斜が非常に大切で、この傾斜がある事でヒールがしっかりと接地していたのです。
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ですので今の状態では靴には傾斜が無く、当厚の革が積み上がった状態で、ヒールとソールがしっかりと接地しません。
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そこで、靴側に傾斜を作り、靴側だけでは充分な傾斜を作るには極端に削る必要があると判断したため、ヒール側にも少し傾斜をつけて、ヒールもソールもしっかりと接地する様になりました。
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ヒールを貼り合わせて、削って形を出すとこの様になりました。ヒールの高さは変わりません。しかし、爪先に向けて傾斜がついている事が確認頂けるかと思います。

単純にヒールの厚みだけで判断して、傾斜の存在を見落としてしまうと、ヒールがしっかりと接地しなくなり、カックン、カックンして非常に履き心地の悪い靴になってしまいます。
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最後、色を入れて仕上げをするとこの仕上がりです。靴底にはオリジナルと同パターンで飾り釘を施しております。
見た目も、履き心地も問題ない仕上がりとなりました。

以上、今回の修理は¥3800也。

実はヒール交換は単純な交換作業では無い場合もあり、ヒールを積み上げる知識が必要となります。今回の様な特殊な仕様変更等は特に専門的な知識がある修理店での交換をお勧め致します。
BontaBonta

電話不調でご迷惑おかけしておりました。現在復旧致しました。
05-17 16:29